ペット衛生管理の豆知識:自宅でのターミナルケア1

大きな負担を一人で抱え込まないで

持続的な静脈点滴が必要だったり、容体が不安定な場合は、病院に入院して対応することもありますが、ペットのターミナルケアは、住み慣れたご自宅で、飼い主さんご自身がケアを行うことが一般的です。入院や通院でたくさんの治療を施すこと自体、ペットには大きなストレスになることもありますし、なにより日々のお世話が重要です。
しかし、ご自宅でターミナルケアを行うということは、飼い主さんにとっては大変重い選択になります。

ペットのターミナルケアは、痛みや苦しみを軽減する治療をし、住み慣れたお家のいつもの場所で、ご家族と一緒に、最後の時がくるまで、今までと同じように穏やかに過ごすことを目指します。
つまりターミナルケアは、飼い主さんがご自身でペットの介護や看護をすることになりますので、飼い主さんの負担がとても大きくなります。トイレに間に合わなくなったり、介助や介護が必要になったり、認知症によって徘徊したり鳴き続けたり、病状が悪化すれば長時間付き添って見守らなくてはいけないこともあります。
皮下点滴や投薬など、痛みや苦しみを緩和する医療行為についても、獣医師の指示のもと、ご自宅でご自身で行わなければなりません。
つきっきりでお世話することの身体的な負担だけではなく、弱っていくペットの姿を見守ることの精神的な負担もとても大きいものです。思い詰めてしまわれる方もいます。

ターミナルケアの最大の目的は、飼い主さんとペットが、最後まで幸せなときを一緒に過ごすことです。飼い主さんに辛い思いをさせることをペットは望んでいません。重要なことは、飼い主さんが一人で頑張らないことです。
一人で抱え込んで頑張るのではなく、しっかりと休んだり息抜きをし、不安なことは相談したりして心の負担も軽減させましょう。そのためには、ご家族、信頼できる友人、かかりつけの獣医師、往診可能な獣医師、介護の経験と知識があるペットシッターなど、力を借りられる人を見つけておきましょう。

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