ペット衛生管理の豆知識<目次>

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221124 ペットの寒さ対策 効率的に暖かく
221117 鳥インフルエンザの注意点 野鳥に注意
221110 鳥インフルエンザの脅威 怖い変異
221103 ペットロス ありがとう大好きだよ
221027 自宅でのターミナルケア2 対応例
221020 自宅でのターミナルケア1 大変です
221013 ペットのターミナルケア QOLの向上
221006 ペットのQOLとは? 穏やかに暮らす
220929 秋のダニにも注意 秋はダニの活動期
220922 秋のお散歩の注意点 犬に有害な植物
220915 秋のはじめの注意点 体調を整える
220908 ペットの肥満2 太る病気もあります
220901 ペットの肥満1 食事の管理が重要
220825 ペットの夏バテ2 させないポイント
220818 ペットの夏バテ1 夏バテのサイン
220811 犬と水遊び 安全に楽しく
220804 犬との旅行の注意点2 旅行の前に
220728 犬との旅行の注意点1 下調べと準備
220721 ペットの熱中症の緊急対応 まず冷やす
220714 ペットの暑さ対策 基本はエアコン
220707 鳥の梅雨対策 鳥は高湿度が苦手
220630 梅雨時のペットの臭い対策 臭い低減
220623 梅雨に多い病気 耳や皮膚に注意
220616 ペットの食中毒 食中毒の予防
220609 暑いときの犬のお散歩 夏の注意点
220602 ペットの熱中症 夏前にも注意が必要
220526 換毛期の皮膚トラブル 換毛期の注意点
220519 犬猫のフィラリア予防2 蚊を見たら予防
220512 犬猫のフィラリア予防1 循環器に寄生
220505 ペットのノミ対策 住環境もきれいに
220428 ペットのマダニ対策 人獣共通病も媒介
220421 ワクチンの副作用 アレルギーへの対応
220414 ワクチン接種時の注意点 体調をみて
220407 狂犬病は人にも感染 ワクチン接種を!
220331 春は病気の予防シーズン 春は予防
220324 春の寒暖差に注意! 寒暖差はストレス
220317 災害時の備え 普段から備えましょう
220310 春のアレルギー 犬猫の花粉症対策
220303 猫と犬の発情期 発情期の注意点
220224 猫用ワクチン2 接種に関わる注意点
220217 猫用ワクチン1 予防できる猫伝染病
220210 犬用ワクチン2 予防できる犬伝染病
220203 犬用ワクチン1 ウイルス疾病を予防
220127 抗生物質の重要性 細菌感染症に必須
220120 犬の問題行動としつけ 共生のために
220113 犬猫の年齢 人間換算年齢を意識
211230 寒いときの犬のお散歩 温度差に注意
211223 ペットの冬の食事 体重で食事を調整
211209 冬に多い病気 冬は免疫力が低下
211118 高齢ペットへの配慮 できるだけ快適に
211111 ペットの老化のサイン 早めに気づく
211104 鳥に与えてはいけない食べ物
211028 猫に与えてはいけない食べ物
211021 犬に与えてはいけない食べ物
210902 新型コロナ感染時の備え 事前に準備

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ペット衛生管理の豆知識:ペットの寒さ対策

室内ペットの寒さ対策と注意点

ペットが生活する環境の温度と湿度に気を配りましょう。大きな温度差が生じると、血圧に影響して心臓に大きな負担をかけますので、気温が下がる朝方や夕方には特に注意してあげましょう。室温の目安は20℃前後です。ペットが生活をしている高さに温度計を取り付けて、温度をチェックしてあげましょう。湿度の目安は40~60%程度です。空気が乾燥すると、鼻やのどの粘膜が乾いて細菌やウィルスに対する抵抗力が弱まりますので、湿度が低すぎる場合は加湿器の利用も検討しましょう。
また、暖房が効きすぎて、ペットが暑がっていないかも観察しましょう。ハァハァとあえぐような荒い口呼吸をしていたら要注意です。避難できる涼しい場所も作っておくと安心です。

室内ペットの具体的な寒さ対策とその注意点です。

〇ペットは室内で、冷たい空気が溜まりやすい床に近い場所で生活しています。お腹には毛も少なく、下からくる冷気にさらされますので、寝床には毛布などを下に敷いてあげると暖かくすごせます。

〇犬の場合、子犬、高齢犬、短毛種の犬や小型犬では、セーターやベストなどを着せて寒冷対策をしてあげた方がよいこともあります。

〇ペットのために暖房器具を使用する場合は、エアコンやホットカーペットなど、なるべく火を使わないものを選びましょう。
エアコンは上部に温かい空気が溜まりますので、サーキュレーターを使用して、温かい空気を部屋の下の方まで循環させると効率的に暖めることができます。
ホットカーペットを使用するときは、低音やけどに気をつけましょう。床を覆いつくさないサイズにし、ペットが暑いと感じたときにはすぐにカーペット以外の涼しいところへ移動できるようにしてあげましょう。

〇こたつにも注意が必要です。ペットによってはこたつの中で出口がわからなくなってしまったり、中で寝てしまうと低温やけどや熱中症になってしまうこともあります。
こたつや電気ストーブなどの電化製品を使うときには、ペットが電気コードをかじって感電したりしないようにコード対策もしておきましょう。

〇どうしても火を使うストーブなどを使うときは、ペットが近づけないように、ストーブガードなどを設置しましょう。

ペットをよく観察して、寒そうにしていないか見守りましょう。温度と湿度の管理をしているのに、震えていたり、体を縮こませていたりしたら、病気のこともあります。
寒くて水を飲む量が減ると尿の量が減って泌尿器系の病気になってしまうこともあります。体が冷えて下痢を起こすこともありますので、尿や便の状況もよく観察しましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:鳥インフルエンザの注意点

鳥インフルエンザは渡り鳥などの野鳥に注意!

鳥インフルエンザは鳥の病気。海外での鳥から人へ感染事例は、鳥インフルエンザウイルスに感染した鳥の羽や、乾燥して粉末状になった糞が、手から口へ入ったり吸い込んだり、ウイルスの濃厚汚染があった場合に報告されています。

日本では、鳥インフルエンザにかかった鶏を早期発見し、迅速に殺処分や施設等の消毒などを行う体制が整っていますので、一般の人が感染した鶏やその糞に触ったりするような機会はほとんどありません。ですので、国内で鳥インフルエンザが発生したからといって、すぐ家で飼っている鳥が感染することを心配する必要はありません。
心配のあまり、飼っている鳥を野外に放したり、処分するのことを考えるのはやめましょう。また、テレビでやってたからと言って、鳥インフルエンザが発生した現場を見に行ったりするのもやめましょう。病気の鳥にわざわざ近づく必要はありませんし、周辺にまだあるかもしれないウイルスを、発生現場から他の場所へ運び、感染を広げてしまう可能性もあります。

鳥が死ぬ原因は様々です。飼っている小鳥が死んだからといって直ちに鳥インフルエンザを疑う必要もありません。でも原因がわからないまま、鳥が何羽も連続して死んでしまったという場合には、素手で触ったりせず、動物病院や県や市町に相談しましょう。

なお、家畜伝染病予防法で「家きん」の種類は、「鶏、うずら、あひる(アイガモ含む)、きじ、ほろほろ鳥、七面鳥、だちょう」と定められています。鶏やうずらなどの家きんを飼われている方は、ペットであっても、家畜伝染病予防法で定めている飼養衛生管理基準の遵守が義務づけられていますのでご注意ください。

「養鶏場で鳥インフルエンザが発生した」というのニュースを聞いて、私たちがまず注意したいのは、鳥インフルエンザウイルスを運んでくる可能性があるカモや白鳥などの渡り鳥との接触です。渡り鳥の糞で汚染された水場を使っていれば、留鳥(渡りをしない野鳥)もウイルスを持っている可能性があります。鳥を飼っている方は、野鳥が近くに来ないように気を付けましょう。また、道端に野鳥(渡り鳥、猛禽類、カラスやスズメなども)が死んでいても、触ったりしないようにしましょう。

野鳥もエサが取れずに衰弱したり、様々な原因で普通に死にます。鳥インフルエンザ以外のウイルスや細菌、寄生虫が感染していることもあります。野鳥が死んでいるのを見つけたときは、病原体を持っているかもしれないので素手で触らないようにし、県や市町に連絡して指示を仰ぎましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:鳥インフルエンザの脅威

鳥インフルエンザウイルスも変異するから怖い!

鳥インフルエンザは鳥の病気。通常は鳥から人には感染しません。ではなぜそんなに恐れられているのか? なぜ1羽でも陽性になると養鶏場の鶏を全羽殺すのか? 今回は鳥インフルエンザのお話です。

11月頃になると、「養鶏場で鳥インフルエンザが発生し、養鶏場の鶏を全羽殺処分した」というニュースが聞こえてきます。以前は毎年ではありませんでしたが、最近は毎年、しかもだんだん発生時期が早くなっています。
養鶏場での鳥インフルエンザは、令和2年度は18県52事例、令和3年度は12道県25事例と 大発生しています。今年も10月28日に岡山県の養鶏場で今シーズン初の高病原性鳥インフルエンザが発生しました。その後も 北海道、香川県、茨城県と発生が続き、これまでに4道県6事例で208万羽の鶏が殺処分されています(11月10日現在)。発生リスクは明らかに以前より増加しています。

ではなぜ、日本では11月頃から発生し始めるのか? それは渡り鳥が本格的に日本にやってくるのがこの時期だからです。ユーラシア大陸でウイルスに感染したカモ類などの渡り鳥が、ウイルスを日本に運んでくるんです。そして羽を休める湖沼や餌場をウイルスで汚染し、糞やネズミなどの野生生物を介して、ウイルスが鶏舎へ持ち込まれるためと考えられています。
今年も養鶏場での発生に先駆け、9月には神奈川県で野鳥からウイルスが検出され、その後も 宮城県、福井県、北海道、新潟県、鹿児島県など全国で、野鳥からウイルスが検出されています。

1羽でも陽性になると養鶏場の鶏を全羽殺すのは、感染した可能性のある鶏を迅速に処分して、養鶏場から養鶏場へ感染を広げないためです。しかしもっと大きな目的は、鳥インフルエンザウイルスが大量に増えるのを阻止して、ウイルス変異のチャンスを与えないことでしょうか。
通常は人に感染しない鳥インフルエンザウイルスですが、インフルエンザウイルスはコロナウイルスと同様よく変異するウイルスです。鳥インフルエンザウイルスが人に感染するようになることは、人類にとって非常に大きな脅威となります。ご存じのとおり、1918年から翌年にかけて全世界で2000万~4000万人の死者が出したスペイン風邪は、鳥インフルエンザウイルスが変異したものではないかと言われています。もともと人には感染しない新型のウイルスですので、人類は誰も有効な免疫を持っていません。ですので、いったん人に感染する新型ウイルスができると、大流行が引き起こされます。

すでに海外では、鳥から人への感染が報告されていますし、人から人へ感染したことが疑われる事例も報告されています。鳥から感染した人は、飼育小屋や生きた鶏がいる市場を訪れたことが分かっていますし、人から人の場合は、その患者の世話をした家族など、患者と密接に接触した人への感染でした。その後感染が拡大したという報告はありませんので、まだそんなに恐れる心配はないと思いますが、鳥インフルエンザウイルスが人への感染力を増さないように、全世界が注視しています。(次回へ続く:飼っている鳥や野鳥と接するときの注意点)

<鳥インフルエンザとは>
 鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルスが引き起こす鳥の病気です。家畜に指定されている鶏やうずらなどへの病原性やウイルスの型によって、「高病原性鳥インフルエンザ」、「低病原性鳥インフルエンザ」などに区分されています。鶏などに高病原性鳥インフルエンザが発生すると、その多くは死んでしまいます。低病原性鳥インフルエンザでは、症状が出ない場合もあれば、咳や軽い呼吸器症状が出たりすることもあります。
 国内の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザや低病原性鳥インフルエンザが発生した場合、他の農場へのウイルスまん延防止を目的として、家畜伝染病予防法に基づき、発生した農場のすべての鶏の殺処分、焼却又は埋却、消毒、移動制限など必要な防疫措置が実施されます。
 発生した農場の鶏や鶏卵などが市場に出回ることはありませんし、万が一食品中にウイルスがあったとしても、ウイルスは加熱すれば感染性がなくなるため、十分に加熱して食べれば感染の心配はありません。
 鳥インフルエンザウイルスに感染した渡り鳥は、空からウイルスを含んだ糞を落としますので、外を歩いた長靴を消毒しないで鶏舎に入ったりすれば、ウイルスが鶏に感染してしまいます。また、渡り鳥が羽を休める湖沼などの水辺はウイルスに汚染されていますので、その水を飲んだり汚染環境にいたネズミなどの野生生物が鶏舎に侵入すれば、やはり鶏はウイルスに感染してしまいます。感染したネズミなどの小動物を捕食する猛禽類なども、渡り鳥ではなくてもこのウイルスに感染します。
 なお日本では、鶏・うずら・あひるなどの家きんを飼っている方には、これらを防ぐためにも、家畜伝染病予防法で定められた飼養衛生管理基準に基づく衛生管理が義務付けられています。日本では防疫体制がしっかりしていますので、養鶏場から養鶏場へ感染がひろがることは少ないですし、養鶏場から人がウイルスに感染する可能性も非常に低いと考えられます。
 とはいえ、渡り鳥から持ち込まれる環境中のウイルス量が増えると、養鶏場での発生を防ぎきれないというのが現状です。

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ペット衛生管理の豆知識:ペットロス

~出会えてよかった 一緒にいてくれてありがとう~

そのときが近づいたと感じたら、飼い主さんは、心の準備をしておきましょう。
そして、ペットとの残された大切な時間を、悔いが残らないよう、できる限りのお世話をしてあげましょう。今まで一緒にいてくれたペットに、「ありがとう」「大好きだよ」と、優しく声をかけてあげましょう。

ペットロスとは、ペットを亡くした悲しみや喪失感のことです。「いつもいるところにいない」「もうお世話することができない」など、飼い主にとっては非常に辛く寂しいことです。
「あのときもっと遊んであげればよかった」「もっと早く動物病院へ連れていくべきだった」という後悔の気持ちが、ペットロスを長引かせることがあります。ペットロスも重症化すれば、無気力、倦怠感、食欲不振、不眠などの症状がでてきます。
ペットが元気なときから最大限の愛情を注いで精一杯のお世話をしてあげることが一番ですが、最後が近いと感じたときからでも遅くありません。精一杯の愛情をそそいでお世話してあげましょう。「やれることは全てやった」と思えることが、後悔の念を少し軽くしてくれます。そして、ペットロスを感じたら、誰かに気持ちを聞いてもらうことも大切です。

これはひとつの考え方ですが、ペットが先に旅立つことは、飼い主さんにとって不幸なことではありません。考えてみてください。万が一、飼い主さんが先に逝ってしまえば、残されたペットは幸せに生きていけるでしょうか。かわいいペットが逝くのを自分で見守れることは、飼い主冥利につきます。自分のもとでしっかりと寿命を全うし、最期を見守らせてくれたペットに感謝し、「ありがとう」「よくがんばったね」と言ってあげましょう。
そして、こんな喪失感や悲しさを感じさせてくれるほど大きい存在だったペットに出会えたことに感謝し、ずっと一緒にいてくれた幸せを想い出しましょう。ペットもずっとあなたを想っています。

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ペット衛生管理の豆知識:自宅でのターミナルケア2

最後まで快適に過ごせるようにしてあげましょう

食べたがるものをあげましょう
老化や病気の悪化によって食欲がなくなってしまったり、歯周病や口内炎などの痛みでドライフードを食べたがらなくなってしまったときには、ペットが食べたがるものを与えてみましょう。食事を楽しめるように、少し電子レンジで温めて香りを立たせたり、ぬるま湯でふやかしてあげると食べてくれることがあります。ウェットフードの方が好きなら、そちらをあげてみましょう。水分もとれますのでおすすめです。
必要に応じて、飼い主さんが手やスプーンなどで食べさせたり、体勢が安定しない場合は、体を支えてあげたりすると、たくさん食べてくれることがあります。
また、歳をとると前傾姿勢が負担になりますので、食器の位置を少し高めにしてあげると食べやすくなります。
※ 強制給餌は、回復の見込みがある場合に行うことが多い処置法です。ターミナルケアにおける強制給餌には賛否両論ありますが、ペットが自力で食べられない場合に、栄養失調や脱水症状にならないよう、餌を団子状にして口の中に入れたり、スポイトで餌を口の中に流し込んだり、飼い主さんが強制的に餌を食べさせるというものです。無理に入れても消化吸収できないこともありますし、誤嚥することもありますので、獣医師に相談してみましょう。

トイレへの移動を工夫しましょう
動物は、足腰が弱っても自力でトイレに行きたがる傾向があります。寝床からトイレまでの障害物をなくし、通路に滑り止めを敷いたり、トイレの入口にスロープを付けて段差をなくしたりしましょう。間に合わないこともありますので、可能性のある場所全面にペットシーツも敷いておくのもありです。自分でトイレまで行くことが難しい場合には、定期的にトイレまで連れて行ってあげましょう。

身体を拭いてあげましょう
自分で自分の体を舐めてきれいにするセルフグルーミングする猫も、高齢になったり病気で身体が辛くなったりすると、セルフグルーミングをしなくなってしまうことがあります。
ペットができるだけ清潔に快適に過ごせるように、優しくブラッシングをしたり身体を拭いてあげましょう。ペットの身体を拭いてあげながら優しく話しかけたり、身体をマッサージしながらなでてあげるなどのスキンシップも、大切なターミナルケアの一つです。飼い主さんの優しい声や触ってくれる感触で、ペットも安心します。

寝たきりになってしまったら
寝たきりになってしまったら、寝床にはクッション性のある素材のものを使い、厚みのあるクッションもうまく利用して、床ずれにならないよう数時間おきに体位を変換してあげましょう。オムツも上手に利用しましょう。人間用の尿取りパッドも役に立ちます。体をなでたりマッサージなどのスキンシップを行うと、痛みの軽減に効果があることがあります。

酸素吸入も効果が期待できます
老化で呼吸機能が衰え身体が酸欠状態になると、全身にさまざまな症状が現れます。酸素吸入をすれば、体内の酸素濃度が高まり、酸欠を緩和して体を楽にする効果が期待できます。酸素吸入は、酸素室にペットを入れて吸引させる方法が一般的です。機材は専門業者からレンタルでき、自宅にも設置できますので、ペットにはストレスや負担の少ない方法です。

獣医療によるペットの緩和ケア
ターミナルケアで行われる医療行為は、病気の原因そのものを治療して完治させたり、延命を行うことを目的とするのではなく、今ペットを苦しめている症状をできる限り緩和させ、できるだけ穏やかに日常生活が送れるようにサポートすることを目的とします。
最も重視されるのは痛みや辛さ、精神的な不安を取り除くことであり、状態に合わせて、ペットに負担をかけずに症状を緩和させるための治療法を選択していきます。治療には様々な方法があり、介護するご家族の負担も考慮しながら、それぞれのペットに応じた治療を行います。
ご自宅では鎮痛剤を中心とした薬剤投与や皮下点滴による補液が行われることが多いですが、それぞれの治療については獣医師とよく相談しながら、獣医師の指示により行いましょう。
◆薬剤投与
必要な薬剤は獣医師により処方されます。獣医師の指示に従って投与しましょう。
特に痛みは、ペットのQOL(生活の質)を著しく低下させるものですので、痛みに対する適切な治療を行うことはターミナルケアでとても重要なことです。
◆皮下点滴(皮下補液)
皮下点滴は、脱水症や貧血、慢性腎不全などの状態を改善するために行います。皮下点滴は背中の肩甲骨近くの皮下に点滴液を入れます。点滴液を吊るして投与する場合と、皮下注射で補液する場合があります。獣医師が行う静脈点滴より吸収速度は劣りますが、短時間で終わり、ペットの身体への負担が少なく、比較的安全で、自宅で飼い主さんが自分で行うことができます。ご自宅で行う場合は獣医師の指示に従いましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:自宅でのターミナルケア1

大きな負担を一人で抱え込まないで

持続的な静脈点滴が必要だったり、容体が不安定な場合は、病院に入院して対応することもありますが、ペットのターミナルケアは、住み慣れたご自宅で、飼い主さんご自身がケアを行うことが一般的です。入院や通院でたくさんの治療を施すこと自体、ペットには大きなストレスになることもありますし、なにより日々のお世話が重要です。
しかし、ご自宅でターミナルケアを行うということは、飼い主さんにとっては大変重い選択になります。

ペットのターミナルケアは、痛みや苦しみを軽減する治療をし、住み慣れたお家のいつもの場所で、ご家族と一緒に、最後の時がくるまで、今までと同じように穏やかに過ごすことを目指します。
つまりターミナルケアは、飼い主さんがご自身でペットの介護や看護をすることになりますので、飼い主さんの負担がとても大きくなります。トイレに間に合わなくなったり、介助や介護が必要になったり、認知症によって徘徊したり鳴き続けたり、病状が悪化すれば長時間付き添って見守らなくてはいけないこともあります。
皮下点滴や投薬など、痛みや苦しみを緩和する医療行為についても、獣医師の指示のもと、ご自宅でご自身で行わなければなりません。
つきっきりでお世話することの身体的な負担だけではなく、弱っていくペットの姿を見守ることの精神的な負担もとても大きいものです。思い詰めてしまわれる方もいます。

ターミナルケアの最大の目的は、飼い主さんとペットが、最後まで幸せなときを一緒に過ごすことです。飼い主さんに辛い思いをさせることをペットは望んでいません。重要なことは、飼い主さんが一人で頑張らないことです。
一人で抱え込んで頑張るのではなく、しっかりと休んだり息抜きをし、不安なことは相談したりして心の負担も軽減させましょう。そのためには、ご家族、信頼できる友人、かかりつけの獣医師、往診可能な獣医師、介護の経験と知識があるペットシッターなど、力を借りられる人を見つけておきましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:ペットのターミナルケア(緩和ケア)

痛みや辛さをできるだけ取り除いてあげましょう

「緩和ケア」とは、がんなどの病気にかかったときの身体的、精神的な辛さを和らげるためのケアのことをいい、病気の積極的な治療とも並行して行われます。
「ターミナルケア(終末期医療)」は「緩和ケア」の中に含まれるもので、特に末期がんの患者さんなど、治すことのできない病気の患者さんが、病気を完治させることではなく、「身体的な痛みや辛さを和らげたり、精神的な不安を取り除いたりすること」を目的に、毎日の生活を少しでも穏やかに過ごせるように行われるケアのことです。
ペット医療では、「緩和ケア」や「ターミナルケア」という言葉を意識的に区別しては使っていませんが、どちらも、できるだけ穏やかに日常生活が送れるようにサポートすることが目的です。

人のターミナルケアではQOLを重視して、病気による痛みや辛さをできるだけ取り除くことに加えて、残された時間をできるだけ充実したその人らしい生活を送れるようにすることを目的とします。
ペットのターミナルケアも同様に、最後まで穏やかに、その子らしい充実した生活を送れるようにサポートしていきます。どのようなサポートができるかは、ペットの病気の状態によっても違いますので、獣医師や動物病院のスタッフとよく相談しながら進めましょう。

ターミナルケアという選択をするときは、治すことが難しい病気にかかったとき、治療を続けてきたがこれ以上治療をしても治る見込みがないとき、高齢で積極的な病気の治療に耐えられないと判断されたとき、など様々です。ターミナルケアを行うからといって、積極的な治療を行うことができなくなる訳ではありませんし、ターミナルケアを選択することがペットの命を見捨てることになる訳ではありません。
愛するペットができるだけ苦しまないように、最後まで穏やかに暮らせるように、サポートしてあげましょう。

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お知らせ 一覧

221012 医療行為が必要なペットのシッターも承ります
220401 事業所移転に伴い 出張費を改定します
220223 ペットサポート ぐる~2年目になりました!
220106 明けましておめでとうございます
211007 いよいよ旅再開!ペットのお世話はお任せください
210826 新型コロナ感染者様からのお引き受けについて
210429 ペットの往診診療(往診専門の動物病院)始めました
210227 ペットサポート ぐる~ のチラシ配布中です
210220 ペットサポート ぐる~ 開業です
210216 ペットサポート ぐる~ はペットのお世話係です

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ペット衛生管理の豆知識:ペットのQOLとは?

ペットと最後まで穏やかな生活を送るために

QOL(クオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life))は「生活の質」とも訳されますが、高齢化がすすんだ人間社会ではよく耳にする言葉です。病気や高齢になったからといって快適な生活をあきらめるのではなく、住み慣れた家に住み続けたり、ふつうに食べたり、趣味を続けたりして、心地良い生活を送ろうという考え方です。
ペットにとってのQOLとは、痛みやストレスを感じない暮らし、十分量のおいしいご飯、安心して眠れる環境、飼い主さんと一緒に過ごす時間、などになります。

「かわいいペットといつまでも一緒にいたい」という気持ちは、ペットをかわいがっている人の共通の願いです。でも、動物は人間の数倍のスピードで歳をとり、だんだん病気がちになり、いつかは先に逝ってしまいます。

ペットが歳を重ね、腎臓病やガンなど、命にかかわる重大な病気が見つかったときの選択肢として、投薬や手術、放射線治療など、少しでも長く生きられるように「治療」を行う方法や、病気を治すことよりも痛みを取り除くことに重きを置いた「緩和ケア」を行う方法などがあります。治療を進める中でも、できるだけペット自身の負担が少なく、痛みやストレスを感じずに済む治療方法を選んであげること、それがQOLを上げることになります。
ペットのケアにかけられる時間やお金などはそれぞれで異なるでしょうから、飼い主さんは獣医師とよく相談をして、納得できる治療方針を選びましょう。ペットの治療方針を決められるのは、最終的に飼い主さんだけなのです。

「苦しまないで逝かせてあげたい」これも飼い主さん共通の願いでしょう。そして、かわいいペットを最後まできちんと見送ってあげることは、飼い主さんの大事な使命です。

選択肢の中には、「安楽死」もあります。当然とても重い決断です。しかし、痛みや苦痛が強く、今後も回復する見込みがないという場合は、穏やかに最期を迎えさせてあげるという選択肢も「あり」と考えます。
安楽死を選んだ場合、穏やかに、眠るように逝くため、痛みや辛さを取り除くことができます。また、家族が見守る中で見送ることもできます。
ただし、安楽死は、家族の中に一人でも迷いを持っている人がいるときは、まだ決断すべきではありません。十分納得してからでないと、ずっと後まで後悔を抱えることになりかねません。
ペットの病状や今後の見通し、ケアを行う飼い主さんの時間やお金の問題、気持ちの問題などについてよく考えましょう。家族でよく話し合い、獣医師や信頼できる人に相談してみましょう。大切なペットのために何を選択すべきか、本当に難しい問題です。

※ 申し訳ありません。ペットサポートぐる~の往診診療では、安楽死の対応は実施しておりません。

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