ペット衛生管理の豆知識:犬の問題行動としつけ

犬に問題行動を起こさせないために

犬の問題行動とは、人間の社会に受け入れられないような犬の行動です。犬は長い年月をかけて目的をもって改良されてきましたので、様々な性格や形態の犬がつくられています。攻撃性をもつようにつくられた犬もいますし、飼い方によっては人間の優位に立ち、吠える、噛むといった犬本来の性質が強く現れてしまう犬もいます。これらの犬には、よほどしっかりしつけをしない限り、本来の性質を矯正することは難しいといえます。見た目が「かわいい」「気に入った」というだけで犬を選ぶのは誤りで、その犬種の性質をしっかり理解した上で、飼い主さん自身の性質と、生活環境を考えて、犬種を選ぶことが重要です。

また、犬や猫は幼齢期に早期に親・兄弟から引き離すと十分な社会化が行われず、成長後に噛みぐせや吠えぐせなどの問題行動を引き起こす可能性が高くなるといわれています。しかし以前の日本では、生まれた子犬を母犬から早くに引き離して販売するということが行われていました。犬猫の問題行動は飼い主の飼育放棄につながり、飼育放棄の増加は殺処分数の増加にもつながります。そのため、令和3年度動物愛護法の改正により、生後57日齢未満の犬猫の販売が禁止されました。
本来、子犬は母犬や兄弟犬と生後2~3ヵ月までは一緒に過ごすのが理想です。親・兄弟との接触、飼い主の家族の他、多くの人や犬に会わせたり、いろいろな場所に行ったり、他の動物に会わせたり、音に慣れさせるなど、子犬のうちに多くのことを体験させることが重要だからです。いろいろな体験を通して、子犬は社交的な犬になっていきます。

犬のしつけとは、人と一緒に暮らすために犬に守らせたいルールを覚えさせることです。室内の小型犬のしつけの目標は、飼い主を噛まないことと、吠えて近所に迷惑をかけないことです。大型犬では、散歩の途中で他人や他の犬に吠えたり攻撃したりしないようにすることも必要です。

人が犬のリーダーになる主従関係は、犬にとってかわいそうなことではありません。飼い主が犬の頼れるリーダーになれば、犬は安心して暮らすことができます。

「ハウス」「オスワリ」「フセ」「マテ」「オイデ」などの指示語のトレーニングは、飼い主が犬をコントロールするために重要です。訓練を通じてリーダーである飼い主との信頼関係も深まります。

重要なのは、ダメなことはダメとあきらめさせること。吠えればなんでもきいてもらえると思わせないために、吠えても無視することです。目もみず、声もかけず、犬があきらめるまで待ちましょう。

叱るのではなく、できたときに誉めましょう。最初は「おやつのごほうび」と「なでてほめる」をセットでしてあげましょう。ほめられるのがうれしくなると、なでられたりほめられたりすること自体がごほうびとなります。

しつけの仕方にもいろいろありますが、自分の犬と生活環境に合わせて、ムリをせず、あきらめず、時間をかけて続けましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:犬猫の年齢

ペットの人間換算年齢を知っておきましょう

「この子は人間で言うと何歳ぐらいになるんだろう?」 ペットの人間への換算年齢、是非知っておいてください。犬や猫の年齢を人間に換算すると下表のようになります。もちろん目安ですので、犬種や個体差、飼われている生活環境によっても違いはでてきます。

犬の寿命は15年弱。大型犬の方が小型犬よりも寿命が短い傾向にあるようです。これは、大型犬の方が小型犬より成長スピードが速く、大きな体を維持するために体への負担が大きくなっているためと考えられます。
一般的に、小型犬・中型犬は1歳で人間に換算すると17歳位になり、その後1年ごとに人間の4年分成長するといわれています。大型犬では2歳で20歳位、その後は1年を人間の7年として計算します。
何歳からシニア犬(老犬)、というはっきりとした定義はありませんが、小型犬・中型犬で8歳位、大型犬では7歳位からです。老化は見た目や行動にも出てきますが、犬の人間への換算年齢を意識することで、老化のサインに早めに気づいてあげられ、年齢に合ったケアをしてあげることができます。

猫の寿命はだいたい15年。最近では20年以上生きる猫も少なくないようです。このうち、家の外に出る猫より外に出ない猫の方が、交通事故や感染症のリスクが少ないため、長生きする猫が多いようです。
猫の人間への換算年齢も、小型犬とほぼ同じです。猫も1歳で人間に換算すると17歳位になり、そこからは1年間で約4歳ずつ歳をとっていきます。猫も7歳位から徐々に老化が始まります。11歳は人間でいう60歳位。白髪が増えたり、動きがゆっくりになったりしてきます。

犬や猫たちは、1歳から1歳半を過ぎたらもう立派な大人です。そうして飼い主の年齢をあっという間に追い越していきます。
いつまでも永く一緒にいたいなら、バランスの摂れた食事や体重管理で太り過ぎに注意し、適切なワクチン接種を行ったり、体を触ってあげたりなど、日々の健康管理をしっかりしてあげましょう。 そして、人間への換算年齢を意識することで、成長や老化など、年齢に合ったケアをしてあげましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:寒いときの犬のお散歩

寒い冬の犬のお散歩とその注意点

今回は、冬に犬を散歩させるときの注意点です。寒い冬のお散歩は、飼い主さんにとってもおっくうに感じることが多いと思います。でも、気温の低い冬は、エネルギーを蓄えるために食欲が旺盛になる時期ですので、散歩に行かないと犬は太ってしまいます。犬の健康維持のためにも、冬でもできるだけ散歩に行きましょう。

犬は比較的寒さに強い動物で、冬の低い気温の中でも元気に活動する犬種が多く、暑い夏よりも寒い冬の方が得意という犬が多いです。童謡にも「犬は元気に庭駆け回り」というフレーズがありますよね。
しかし、チワワやヨークシャー・テリアなどの小型犬では、被毛がダブルコートではなくシングルコートなため、寒さに弱い犬種もいます。また、子犬や老犬、痩せた犬や持病のある犬なども寒さが苦手です。これらのワンちゃんには、防寒対策をしてあげましょう。

犬を散歩させるときの寒さ対策のひとつは、セーターやジャケットなどの服を着せることです。こうした防寒着を着せると、家の中と外との温度差による体への負担を軽減させることができます。歩くのに負担にならない防寒着を選び、外でも快適に過ごせるようにしてあげましょう。

なお、気温がとても低い日、冷たい風の強い日、寒くて雨や雪が降っている日、また犬の体調がよくないときなどは、無理にいつもどおりの散歩へ行かなくても大丈夫。楽しいはずのお散歩が負担になってしまいます。いつもよりも短い時間にしてあげる、または行かないという判断も、ときには必要です。

散歩に出かけるときは、家の中と外との温度差に気をつけましょう。暖かい室内からいきなり犬を外に連れ出すと、体が慣れていないのでこたえますし、関節にもよくありません。外へ出る前に、気温が低い玄関などで外へ出る準備をゆっくりして、寒さに慣らしましょう。外に出たら、まずはゆっくりと歩いて、犬の様子を見ながら少しずつペースを上げましょう。体に負担をかけないことが大切です。

また、冬のお散歩は、朝や夕方、辺りが暗いことも多いと思いますので、車や自転車、人の往来にも気を配りましょう。事故に巻き込まれないように、光る首輪や目立つ色のリードやハーネス、反射板などを着用しましょう。 

散歩から帰ったら、防寒着を脱がせるか、室内用のものに着替えさせてあげましょう。防寒着は家の中と外との気温差を防ぐためのものなので、そのまま着ていては効果が薄くなってしまいます。
雨や雪などで体が濡れてしまったときは、乾いたタオルでしっかり拭き、ドライヤーを使ってしっかりと乾燥させましょう。
冬は乾燥しますので、犬にも肉球などの保湿ケアをしてあげると、なお安心です。乾燥するとひび割れてしまうこともありますので、保湿成分が含まれたジェルやクリームなどを塗ってあげるといいですね。

冬の犬のお散歩は、できるだけ犬の体に負担がかからないように様子をよく観察しましょう。特に寒さに弱い小型犬には防寒着を着せるなどして、温度差の負担を小さくしてあげましょう。寒い冬にも、犬が快適に過ごせるように工夫して、犬と一緒にお散歩を楽しみましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:ペットの冬の食事

ペットの生活環境によって食事内容を調整しましょう

いきなり寒くなりました。「冬になると暖かいこたつに座りっきりで、お菓子やみかんを食べてばかり。なので、つい太ってしまって・・・」というのは、人間ばかりではありません。ペットも同じです。冬のペットの食事についても知っておきましょう。

室内飼育で暖房完備のところで過ごせるペットは、年間を通じて必要なカロリーはあまり変わらないと考えて大丈夫です。ただ動物は本能的に、寒い冬に備えて体に脂肪を蓄えようとしますので、秋から冬にかけて食欲が旺盛になります。さらに、冬は寒くて動かなくなり、人同様ペットの運動量も減る傾向にあります。暖かいところにいて今までと同じ量の食事をとり、動かなければ体重が増えてしまうのはあたり前です。運動量が減っているようなら、やはり食事内容と食事量を調整しましょう。できれば、冬でも適度な運動はさせてあげるようにしましょう。

一方で、外で暮らしている動物たちは、寒さが厳しくなってくると、それまでと同じ餌の量では、どんどん痩せてしまいます。なぜなら気温が低下すると、体温を保つために多くのエネルギー(カロリー)を必要とするから。外で飼っている場合、冬は夏より2~3倍のエネルギーを必要とすることもあります。寒い外気にさらされるペットには、食事内容や食事量を変えてエネルギーを増やしてあげましょう。その際は、是非、良質のタンパク質や脂肪を増やしてあげてください。外に限らず、寒い環境で暮らすペットにとって、エネルギーの増量は体温維持のために必要です。

それぞれのペットが暮らす環境を考えて、食事内容と食事量を調整しましょう。できれば定期的に体重測定をして体重を管理し、食べた量も把握しましょう。実際にペットの体や食欲を見ながら、季節の変化に合わせて食事を変えていくことは、ペットの健康管理上とても大切なことです。

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ペット衛生管理の豆知識:ペットの寒さ対策

室内ペットの寒さ対策と注意点

ペットが生活する環境の温度と湿度に気を配りましょう。大きな温度差が生じると、血圧に影響して心臓に大きな負担をかけますので、気温が下がる朝方や夕方には特に注意してあげましょう。室温の目安は20℃前後です。ペットが生活をしている高さに温度計を取り付けて、温度をチェックしてあげましょう。湿度の目安は40~60%程度です。空気が乾燥すると、鼻やのどの粘膜が乾いて細菌やウィルスに対する抵抗力が弱まりますので、湿度が低すぎる場合は加湿器の利用も検討しましょう。
また、暖房が効きすぎて、ペットが暑がっていないかも観察しましょう。ハァハァとあえぐような荒い口呼吸をしていたら要注意です。避難できる涼しい場所も作っておくと安心です。

室内ペットの具体的な寒さ対策とその注意点です。

〇ペットは室内で、冷たい空気が溜まりやすい床に近い場所で生活しています。お腹には毛も少なく、下からくる冷気にさらされますので、寝床には毛布などを下に敷いてあげると暖かくすごせます。

〇犬の場合、子犬、高齢犬、短毛種の犬や小型犬では、セーターやベストなどを着せて寒冷対策をしてあげた方がよいこともあります。

〇ペットのために暖房器具を使用する場合は、エアコンやホットカーペットなど、なるべく火を使わないものを選びましょう。
エアコンは上部に温かい空気が溜まりますので、サーキュレーターを使用して、温かい空気を部屋の下の方まで循環させると効率的に暖めることができます。
ホットカーペットを使用するときは、低音やけどに気をつけましょう。床を覆いつくさないサイズにし、ペットが暑いと感じたときにはすぐにカーペット以外の涼しいところへ移動できるようにしてあげましょう。

〇こたつにも注意が必要です。ペットによってはこたつの中で出口がわからなくなってしまったり、中で寝てしまうと低温やけどや熱中症になってしまうこともあります。
こたつや電気ストーブなどの電化製品を使うときには、ペットが電気コードをかじって感電したりしないようにコード対策もしておきましょう。

〇どうしても火を使うストーブなどを使うときは、ペットが近づけないように、ストーブガードなどを設置しましょう。

ペットをよく観察して、寒そうにしていないか見守りましょう。温度と湿度の管理をしているのに、震えていたり、体を縮こませていたりしたら、病気のこともあります。
寒くて水を飲む量が減ると尿の量が減って泌尿器系の病気になってしまうこともあります。体が冷えて下痢を起こすこともありますので、尿や便の状況もよく観察しましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:冬に多い病気

冬はペットの免疫力も下がります

寒くなってきました。いよいよ本格的な冬ですね。寒い冬はペットにとっても病気にかかりやすい季節です。なぜなら、冬は気温が下がって空気が乾燥するから。気温が下がると免疫力が低下しますし、乾燥すると、鼻やのど粘膜の防御機能が低下して、体内に細菌やウイルスなどの病原体が侵入しやすくなります。寒いと運動不足にもなりがちですので体力も落ちます。免疫力を落とさないように、適度の運動をして、ストレスのない生活環境を整えてあげることが大切です。

冬にかかりやすい病気と、予防のための注意点をまとめてみました。

〇泌尿器系の病気: 冬は寒いため、ペットもあまり水を飲まなくなります。その結果、排尿の間隔が長くなり、膀胱炎や尿路結石などの病気を発症しやすくなります。
⇒ 飲水量が多くなるように工夫してあげましょう。ウェットフードの比率を増やす、給水場所を増やすというのもいいかもしれません。排尿の量・色・回数などをチェックしましょう。排尿時の様子がそれまでと違う場合は、動物病院に相談してみましょう。

〇関節の病気: 寒くなると動かなくなって、さらに血流が滞って筋肉がこわばります。そのため、寒い中で急に運動をさせようとすると、関節などに負担がかかってしまいます。
⇒ 寒い場所で、すぐに激しい遊びや運動をするのは避けましょう。動きはじめなど、こわばった関節には負担がかかりますので、フローリングなどの滑りやすい床には、カーペットを敷くとか滑り止めを貼るなどの工夫をしてあげましょう。

〇心臓や循環器系の病気: 心臓など循環器系の異常は、咳をすることから見つかることが多い病気です。咳は呼吸器系の病気ですが、心臓の病気を発見する重要な指標でもあります。冬は、冷たい空気が呼吸器への刺激となりさらに咳を誘発するため、心臓の病気が発見されやすくなります。
⇒ 気になる咳をしているようなら、動物病院に診てもらいましょう。加えて、短期間で体重が減ってしまった場合なども心臓疾患の可能性があります。

〇感染症: 冬は気温が低く乾燥しますので、呼吸器や下痢などの感染症にかかりやすい季節です。ペットが集まるところに行く場合は、さらにリスクが高まります。
⇒ 感染症予防の基本はワクチン接種です。ワクチン接種が推奨されているものは予防接種をしましょう。忘れないように、年に1回、時期を決めて接種しましょう。
ペットホテルなど不特定多数のペットが集まる場所は、特に感染症のリスクが高くなっていますので、自分のペットに予防接種を行うとともに、予防接種や寄生虫駆除を義務付けている施設を利用すると安心です。
幼齢ペットや高齢ペットは体力や免疫力が低くなっていますので、特に注意してあげましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:鳥インフルエンザの注意点

鳥インフルエンザは渡り鳥などの野鳥に注意!

鳥インフルエンザは鳥の病気。海外での鳥から人へ感染事例は、鳥インフルエンザウイルスに感染した鳥の羽や、乾燥して粉末状になった糞が、手から口へ入ったり吸い込んだり、ウイルスの濃厚汚染があった場合に報告されています。

日本では、鳥インフルエンザにかかった鶏を早期発見し、迅速に殺処分や施設等の消毒などを行う体制が整っていますので、一般の人が感染した鶏やその糞に触ったりするような機会はほとんどありません。ですので、国内で鳥インフルエンザが発生したからといって、すぐ家で飼っている鳥が感染することを心配する必要はありません。
心配のあまり、飼っている鳥を野外に放したり、処分するのことを考えるのはやめましょう。また、テレビでやってたからと言って、鳥インフルエンザが発生した現場を見に行ったりするのもやめましょう。病気の鳥にわざわざ近づく必要はありませんし、周辺にまだあるかもしれないウイルスを、発生現場から他の場所へ運び、感染を広げてしまう可能性もあります。

鳥が死ぬ原因は様々です。飼っている小鳥が死んだからといって直ちに鳥インフルエンザを疑う必要もありません。でも原因がわからないまま、鳥が何羽も連続して死んでしまったという場合には、素手で触ったりせず、動物病院や県や市町に相談しましょう。

なお、家畜伝染病予防法で「家きん」の種類は、「鶏、うずら、あひる(アイガモ含む)、きじ、ほろほろ鳥、七面鳥、だちょう」と定められています。鶏やうずらなどの家きんを飼われている方は、ペットであっても、家畜伝染病予防法で定めている飼養衛生管理基準の遵守が義務づけられていますのでご注意ください。

「養鶏場で鳥インフルエンザが発生した」というのニュースを聞いて、私たちがまず注意したいのは、鳥インフルエンザウイルスを運んでくる可能性があるカモや白鳥などの渡り鳥との接触です。渡り鳥の糞で汚染された水場を使っていれば、留鳥(渡りをしない野鳥)もウイルスを持っている可能性があります。鳥を飼っている方は、野鳥が近くに来ないように気を付けましょう。また、道端に野鳥(渡り鳥、猛禽類、カラスやスズメなども)が死んでいても、触ったりしないようにしましょう。

野鳥もエサが取れずに衰弱したり、様々な原因で普通に死にます。鳥インフルエンザ以外のウイルスや細菌、寄生虫が感染していることもあります。野鳥が死んでいるのを見つけたときは、病原体を持っているかもしれないので素手で触らないようにし、県や市町に連絡して指示を仰ぎましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:鳥インフルエンザの脅威

鳥インフルエンザウイルスも変異するから怖い!

鳥インフルエンザは鳥の病気。通常は鳥から人には感染しません。ではなぜそんなに恐れられているのか? なぜ1羽でも陽性になると養鶏場の鶏を全羽殺すのか? 今回は鳥インフルエンザのお話です。

毎年ではありませんが11月頃になると、「養鶏場で鳥インフルエンザが発生し、養鶏場の鶏を全羽殺処分した」というニュースが聞こえてきます。昨冬シーズンは18県52事例と、大発生の年でした。今年も11月だけで、すでに秋田県・鹿児島県・兵庫県の3県で4事例の高病原性鳥インフルエンザが発生し、34万羽の鶏が殺処分されました(25日現在)。発生リスクは以前より増加しているようです。

ではなぜ、日本では11月頃から発生し始めるのか? それは渡り鳥が本格的に日本にやってくるのがこの時期だからです。ユーラシア大陸でウイルスに感染したカモ類などの渡り鳥が、ウイルスを日本に運んでくるんです。そして羽を休める湖沼や餌場をウイルスで汚染し、糞やネズミなどの野生生物を介して、ウイルスが鶏舎へ持ち込まれるためと考えられています。

1羽でも陽性になると養鶏場の鶏を全羽殺すのは、感染した可能性のある鶏を迅速に処分して、養鶏場から養鶏場へ感染を広げないためです。しかしもっと大きな目的は、鳥インフルエンザウイルスが大量に増えるのを阻止して、ウイルス変異のチャンスを与えないことでしょうか。
通常は人に感染しない鳥インフルエンザウイルスですが、インフルエンザウイルスはコロナウイルスと同様よく変異するウイルスです。鳥インフルエンザウイルスが人に感染するようになることは、人類にとって非常に大きな脅威となります。ご存じのとおり、1918年から翌年にかけて全世界で2000万~4000万人の死者が出したスペイン風邪は、鳥インフルエンザウイルスが変異したものではないかと言われています。もともと人には感染しない新型のウイルスですので、人類は誰も有効な免疫を持っていません。ですので、いったん人に感染する新型ウイルスができると、大流行が引き起こされます。

すでに海外では、鳥から人への感染が報告されていますし、人から人へ感染したことが疑われる事例も報告されています。鳥から感染した人は、飼育小屋や生きた鶏がいる市場を訪れたことが分かっていますし、人から人の場合は、その患者の世話をした家族など、患者と密接に接触した人への感染でした。その後感染が拡大したという報告はありませんので、まだそんなに恐れる心配はないと思いますが、鳥インフルエンザウイルスが人への感染力を増さないように、全世界が注視しています。(次回へ続く:飼っている鳥や野鳥と接するときの注意点)

<鳥インフルエンザとは>
 鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルスが引き起こす鳥の病気です。家畜に指定されている鶏やうずらなどへの病原性やウイルスの型によって、「高病原性鳥インフルエンザ」、「低病原性鳥インフルエンザ」などに区分されています。鶏などに高病原性鳥インフルエンザが発生すると、その多くは死んでしまいます。低病原性鳥インフルエンザでは、症状が出ない場合もあれば、咳や軽い呼吸器症状が出たりすることもあります。
 国内の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザや低病原性鳥インフルエンザが発生した場合、他の農場へのウイルスまん延防止を目的として、家畜伝染病予防法に基づき、発生した農場のすべての鶏の殺処分、焼却又は埋却、消毒、移動制限など必要な防疫措置が実施されます。
 発生した農場の鶏や鶏卵などが市場に出回ることはありませんし、万が一食品中にウイルスがあったとしても、ウイルスは加熱すれば感染性がなくなるため、十分に加熱して食べれば感染の心配はありません。
 鳥インフルエンザウイルスに感染した渡り鳥は、空からウイルスを含んだ糞を落としますので、外を歩いた長靴を消毒しないで鶏舎に入ったりすれば、ウイルスが鶏に感染してしまいます。また、渡り鳥が羽を休める湖沼などの水辺はウイルスに汚染されていますので、その水を飲んだり汚染環境にいたネズミなどの野生生物が鶏舎に侵入すれば、やはり鶏はウイルスに感染してしまいます。
 なお日本では、鶏・うずら・あひるなどの家きんを飼っている方には、これらを防ぐためにも、家畜伝染病予防法で定められた飼養衛生管理基準に基づく衛生管理が義務付けられています。日本では防疫体制がしっかりしていますので、養鶏場から養鶏場へ感染がひろがることは少ないですし、養鶏場から人がウイルスに感染する可能性も非常に低いと考えられます。
 とはいえ、渡り鳥から持ち込まれる環境中のウイルス量が増えると、養鶏場での発生を防ぎきれないというのが現状です。

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ペット衛生管理の豆知識:高齢ペットへの配慮

高齢ペットが快適に暮らせるように

かわいいペットが年をとって弱っていくのを見るのは辛いものです。以前のように言うことを聞いてくれなくなったり、反応が鈍くなる場合もあります。でも飼い主さんが苛立ったりしてはいけません。年老いたペットには、静かで暖かい休息場所、心地よい寝床、新鮮な水と栄養価の高い食事、使いやすいトイレを用意してあげましょう。

〇視力が衰えてよく見えていないと思われる場合は、家具の角などにぶつかると危ないので、危険な場所にはクッション材を貼る、いつも通るところには物を置かないなど、配慮してあげましょう。また、ペットは家具の配置などを感覚で覚えているため、室内の模様替え(配置換え)をしないことも大切です。

〇聴覚の衰えで、名前を呼んでも反応しない場合は、急に触ると驚かせてしまうため、ペットの見える方向から近づくようにしましょう。

〇視力や聴力の衰えで、ペット自身も強い不安を感じているはずです。眠っている時間が多くなるペットですが、優しく声をかけたり、体を触ってマッサージしたりなどのスキンシップをたくさんしてあげましょう。ペットの不安も和らぐはずです。

〇食事を見直して、高齢ペットに適した食事を与えましょう。少食の高齢ペットには、少量でも高エネルギーの食事を検討しましょう。
痩せて食が細くなり食欲がないペットには、まず食べてもらうことが第一です。食べることができなければ、ペットはどんどん衰弱していってしまいます。そんなときは、栄養バランスを気にするより、ペットの好きなもの(食べれるもの)を好きなだけ食べさせましょう。

〇足腰が弱くなったペットが家の中で足を滑らせないような工夫が必要です。滑らないカーペットの使用等を考えましょう。また、眠っている時間が長くなりますので、心地よい寝床を作ってあげることも大切です。

〇粗相をしてしまう場合も増えるので、専用のカーペットなど、頻繁に交換したり、洗えるタイプの製品の利用も考えましょう。よく通るところにトイレを増やしてあげるのもいいかもしれません。マナーベルトやオムツも上手に利用しましょう。人間用の尿取りパッドも役に立ちます。

〇口臭の原因になる歯周病は、高齢犬がかかりやすい病気です。日頃から歯や歯茎など口の中全体をチェックしておきましょう。

〇皮膚が乾燥してかたく厚くなるためかゆみを生じやすくなり、加齢によって皮膚に腫瘍を生じやすくもなりますので、頭部や顔首の周囲をチェックしてあげましょう。ただし、シャンプーのし過ぎはよくありません。

〇老犬の散歩には、散歩用ハーネスが有効です。ハーネスにリードをつけてつり上げるようにして立たせ、犬がゆっくり歩けるように介助してあげましょう。適度な運動にもなり、ストレスの解消にもなります。

〇ペットの寿命が延びていますので、介護を必要とする高齢ペットも増加しています。介護の期間が長くなると、飼い主自身の疲労も蓄積してしまいます。できれば介護に協力してくれる人を確保しましょう。介護をお願いできるペットシッターを利用するという手もあります。

この他、年を取れば、骨折しやすくなったり、関節炎になりやすくなったり、糖尿病や腎臓病などの病気になることも多くなります。

ペットの年齢や状況によって、私たちの接し方も変えていく必要があります。食欲、行動、歩き方、1日の時間の過ごし方などで、元気なときとは違う変化や異常があれば、すぐ気づいて対処してあげましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:ペットの老化のサイン

老化のサインに早めに気づいてあげましょう

まだやんちゃな子どもだと思っていても、ペットはいつのまにか大人になり、あっという間に年を取っていきます。毎日一緒にいると、少しずつ進行していく小さな変化に気づきにくいものですが、大切なのはペットの老化のサインを見逃さないことです。できるだけ早く気づいて、ペットが快適に暮らせるようにサポートしてあげましょう。以下が、ペットに見られる主な老化のサインです。

筋力が弱まる:足腰などの筋力が衰えるため、歩くスピードが遅くなったり、動きが鈍くなります。犬の場合は散歩を嫌がったり、長時間の運動を嫌がったりします。犬は後ろ脚から衰え始めますので、歩くときヨロヨロしたり、腰がくだけて座り込んだりします。
また、階段の上り下りがゆっくりになり、ちょっとした段差でも躊躇したり、つまずくようになります。筋肉の衰え以外にも、関節の痛みや足腰の不調などが原因のこともあります。
筋力の衰えは全身にも現れ、体に張りがなくなり、体力が衰えてきます。

視力や聴力が衰える:年をとると、視力が低下しますので、物によくぶつかるようになります。聴力も低下しますので、名前を呼んでも反応しなくなることがあります。

皮膚や被毛が変化する:ふんわり艶やかだった被毛が艶を失ったり、ひげや耳の周囲の毛が白くなったりします。また、皮膚は乾燥してかたく厚くなるため、かゆみを生じやすくなります。

食欲が変化する:高齢になると、同じ食事でも太ったりします。逆に老化が進んでくると食欲が減退して痩せてきたりします。味覚や嗅覚が変化して、好みが変わることもあります。好き嫌いがひどくなることもあります。ホルモンの病気が原因のこともありますので注意が必要ですが、食に変化が表れるのも老化のサインです。

睡眠時間が増える:年齢を重ねるにつれ、睡眠時間が長くなる傾向にあります。夜だけでなく昼間も眠ることが多くなってきたら、それは老化のサインです。好奇心も薄れ、お気に入りのおもちゃなどにも興味を示さず、眠ることを優先するようになります。

粗相が増える:年を取ったペットが粗相をするのは、膀胱にためられる尿の量が減少したり、トイレまで間に合わなかったりするためです。腎臓に異常があることもあります。

口臭がきつくなる:老齢ペットだけではありませんが、口臭がきつくなった場合は、歯周病にかかっている可能性があります。歯周病は高齢ペットがかかりやすい病気です。

老化と老齢ペットの病気とは別です。老齢ペットの病気は症状が少しずつ進行することも多いため、健康診断を受けないと気づけない場合もあります。病気を見落とさないようにするためには、血液検査も含めた定期的な健康診断が必要です。

次回は、ペットに老化のサインが見られた場合に、ペットが快適に暮らせるようにするための工夫です。

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