ペット衛生管理の豆知識:ペットの夏バテ2

ペットを夏バテさせないポイント

蒸し暑い日が続きますね。そろそろ夏の疲れがどっと出てくる頃です。夏バテでペットに辛い思いをさせないように、夏バテ対策は油断せずにしっかり行いましょう。

〇水分をしっかりとらせる :口呼吸になると口から水分の蒸散が増えることから、いつもより多くの水分をとることが必要です。飲み水はこまめに換え、ペットがいつでも新鮮な水を飲めるようにしましょう。また、いつも食べているドライフードに水を加える、夏バテ気味ならウェットフードにするなどして、水分量の多いごはんにしてあげましょう。

〇食欲増進の工夫をする :暑さで食が進まないときには、いつものフードにペットの好きなものを少しトッピングしたり、ウェットフードを少し混ぜてあげるなど、ごはんに工夫をしましょう(カロリーオーバーにならないようにトッピングのしすぎには要注意)。ドライフードに水を加えてふやかすだけでもフードからいいにおいがしてきますので、食欲増進に役立ちます。

〇暑さ対策グッズを利用する :ペットの暑さ対策用のグッズとして、冷感マット、アルミプレート、クール素材のベッドなど、いろいろなものが販売されていますので、上手に利用しましょう。犬であれば、水で濡らして犬の首に巻くバンダナなど、お散歩のときにいいかもしれません。

〇温度と湿度を適切に管理する :ペットがいる部屋の温度と湿度に気を配りましょう。ペットによって適温は違いますので、ペットが不快を感じない環境にしてあげましょう。特に長い時間のお留守番のときは注意しましょう。また、夏場は雷が多い季節です。停電などでエアコンが停まってしまうと、ペットが熱中症になる危険が高まりますので、万が一のことも考えて、遮光カーテンをつけるなどの対応もしておきましょう。

〇犬の散歩は時間を選ぶ :犬の散歩は、朝や夜の涼しい時間帯に行くようにしましょう。そして、水筒を持ち歩き、散歩中にも新鮮な水を飲ませるようにしましょう。夏バテ気味のときは、無理に出かけず、涼しい室内で様子を見ましょう。

〇暑そうなときは体を冷やす :暑さで具合が悪そうなときは、風通しがいい涼しい場所に移動させ、タオルに包んだ保冷剤を首まわりや、わきの下、後足の付け根に当てて、体を冷やしてあげましょう。いかにも調子の悪そうなときは、決して無理をさせず、動物病院に相談しましょう。

お盆も過ぎ、暦の上ではもう立秋。あと少しがんばれば 過ごしやすい季節がやってきます。日々工夫して、夏を乗り切りましょう!

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ペット衛生管理の豆知識:ペットの夏バテ1

ペットの夏バテサインを見逃さないで!

連日蒸し暑いですね。今はまさに暑さのピーク。暑さが厳しいこの時期はペットも夏バテします。被毛に覆われたペットは体に熱がこもりやすく、きちんと管理してあげないと夏バテによる体調不良を起こします。体に熱がこもると、自律神経の調整機能が低下し、食欲不振、下痢や嘔吐などの夏バテの症状を引き起こしてしまいます。いつもと少し違う感じがあるときは、それが夏バテのサインかもしれません。

ペットが夏バテすると、食欲がなくなる、元気がなくなる(あまり動かなくなる、ぐったりしている、眠ってばかりいる)、下痢、嘔吐 などの症状を示します。

症状がひどくなると、夏バテを通り越して熱中症になっている可能性があります。息苦しそう、体温が高い、体がふらつく、痙攣する などのときは、命にかかわることもありますので、すぐ動物病院に連れて行きましょう。

犬の場合、体に汗腺がないため、ハァハァと舌を出す呼吸(パンティング)で体温を下げようとします。しかし、湿度が高いと効率よく熱を逃がしきることができませんので、犬種によっては特に注意が必要です。

夏毛と冬毛が交互に生え変わるダブルコートの犬は、寒さに強く、暑さに弱い犬種です。特に寒い国原産のシベリアンハスキーなどは夏バテになりやすい傾向にあります。
短頭種(鼻の短い)の犬種も、鼻が短いため鼻呼吸がうまくできず、舌を出す口呼吸が多くなる犬種です。この舌を出す呼吸は、呼吸器や心臓に大きな負担がかかり、体温が上がってしまうことがあります。ブルドッグ、パグ、シーズーなどの短頭種や、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャーテリアなどの比較的鼻が短い犬種は、特に注意してあげましょう。
また、子犬やシニア犬も、夏バテしやすいので気を付けましょう。
肥満気味の犬も暑さに弱いですので、できれば夏前に少しずつダイエットしておくといいですね。

夏バテの辛さは人もペットも同じ。ペットと一緒に夏を乗り切りましょう。(夏バテ対策は次回へ続きます。)

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ペット衛生管理の豆知識:犬と水遊び

安全に楽しく 犬と水遊びをしましょう!

ワンちゃんの夏の水浴びは、犬の体をクールダウンさせたり、気分転換させたりするのに有効です。でも水浴びが苦手なワンちゃんもいますので、水浴びは楽しいと知ってもらうために、まず水に慣れさせましょう。お風呂場や庭で足から少しずつ水をかけてみたり、大丈夫のようなら体にもかけてみるなど、声をかけながら楽しい雰囲気で、犬の様子をよく観察しながら水に慣れさせましょう。

水浴び前は少食にしておきましょう。水浴びすると体が冷え、お腹の具合が悪くなる可能性もあるからです。途中、疲れさせすぎないように、適度な休憩もとりましょう。

川や海などでの水遊びは、安全のためにライフジャケットを着用させてもいいかもしれません。飼い主から離れないように、リードは必ずつけましょう。犬が入っても大丈夫な場所かどうか、事前に確認した方がいい場所もあります。人が多いところは特に注意しましょう。川や海では、尖った岩がないか、岩場の凹凸は大丈夫か、足元の安全を確認しましょう。川や海に入れば水を飲んでしまうこともありますので、水質にも注意が必要です。

川遊びをするときには川の水温にも注意しましょう。体温の低下を防ぐために、水の中に長い時間浸かりすぎることのないように気をつけましょう。ワンちゃんが震えていたら、体温低下のサインです。すぐに水浴びをやめて、タオルで拭いてあげましょう。

逆に、炎天下の海の砂浜では表面が高温になりますので、素足の犬が火傷しないように注意してあげましょう。熱中症にならないように、日陰やテント・タープなどの日光があたらない涼しい場所を確保しましょう。海で海水を飲んでしまい、体調が悪くなることもあります。すぐ飲ませられるように、必ずきれいな水は持って行きましょう。

川や海での水浴び後には真水で洗ってあげましょう。そのままだと、細菌や砂、塩分などが体に付着したまま乾燥してしまいます。洗い流し用の水を持っていきましょう。被毛は濡れたままにせず、タオルで拭き取るなど、早めに乾かしてあげましょう。特に、犬を濡れたまま、エアコンの効いた車や部屋の中に入れると、さらに体温が低下してしまいます。車や部屋に入れる前には、必ずタオルで体の水分をとりましょう。

水浴びのあとには、体調を崩したり皮膚のトラブルが起きないように、ワンちゃんの体のお手入れも忘れずに。お家ではシャンプーで洗ってあげましょう。肉球には砂が入り込んでいるかもしれないので、特に足の裏はていねいに。耳の中にも水が入ったかもしれないので、耳のお掃除もしてあげましょう。洗った後は、ドライヤーでしっかり乾かし、ブラッシングで抜け毛を取り除きましょう。

ワンちゃんの様子をよく観察しながら、安全に楽しく水遊びをして、素敵な夏の思い出をつくりましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:犬との旅行の注意点2

犬との旅行前にやっておくべきことを確認しておきましょう

かわいいワンちゃんとの旅行。旅行前にやっておくべきことをまとめてみました。

〇狂犬病や混合ワクチンの予防接種を済ませておきましょう。
狂犬病は必ず毎年接種しましょう。他のワンちゃんと接する機会もあるかもしれないので、感染症予防のために、混合ワクチンも接種しておきしましょう。利用する施設によっては、接種証明書の提示を求められることもあります。

〇トイレ対策をしましょう。
旅先では緊張もしますし、興奮もします。普段はきちんとトイレができる子でも、粗相をしてしまうことがあります。あらかじめ粗相をしてしまったときの対応を考えておきましょう。必要に応じで、マナーベルト(犬用オムツ)などの利用も検討しましょう。

〇クレートやケージに慣らしておきましょう。
車の中や、利用する施設によっては、クレートやケージに入れなければならないこともあります。普段からお家でもクレートを利用して、慣らしておくと安心です。

〇ノミ・ダニ対策もしておきましょう。
ノミ・ダニの駆除薬も忘れずに定期的にしてあげてください。シャンプーやブラッシングをしておくと、さらに気持ちよく旅行できますね。

旅行当日は、乗り物酔い防止のため、食事を早めに済ませましょう。出発前にはトイレを済ませ、車ではクレートなどに入れて安定させましょう。もちろん運転は安全運転で、急ブレーキ、急ハンドルは避けましょう。途中ではこまめに休憩し、犬の様子を確認します。

宿泊施設に着いたら、足を拭きましょう。部屋に入ったら、トイレの場所を確認し、犬に教えます。宿泊施設の食事や入浴、共有場所でのルールなどをしっかり確認して、みんなが気持ちよく過ごせるようにルールは守りましょう。

いつもと違う環境は、緊張したり興奮したり疲れるものです。車での移動も疲れます。
楽しい旅から帰ってきてお家に着いたら、ゆっくりと休ませてあげましょう。

まずは日帰りや近場の1泊旅行から 始めてみるのもいいかもしれませんね。

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ペット衛生管理の豆知識:犬の問題行動としつけ

犬に問題行動を起こさせないために

犬の問題行動とは、人間の社会に受け入れられないような犬の行動です。犬は長い年月をかけて目的をもって改良されてきましたので、様々な性格や形態の犬がつくられています。攻撃性をもつようにつくられた犬もいますし、飼い方によっては人間の優位に立ち、吠える、噛むといった犬本来の性質が強く現れてしまう犬もいます。これらの犬には、よほどしっかりしつけをしない限り、本来の性質を矯正することは難しいといえます。見た目が「かわいい」「気に入った」というだけで犬を選ぶのは誤りで、その犬種の性質をしっかり理解した上で、飼い主さん自身の性質と、生活環境を考えて、犬種を選ぶことが重要です。

また、犬や猫は幼齢期に早期に親・兄弟から引き離すと十分な社会化が行われず、成長後に噛みぐせや吠えぐせなどの問題行動を引き起こす可能性が高くなるといわれています。しかし以前の日本では、生まれた子犬を母犬から早くに引き離して販売するということが行われていました。犬猫の問題行動は飼い主の飼育放棄につながり、飼育放棄の増加は殺処分数の増加にもつながります。そのため、令和3年度動物愛護法の改正により、生後57日齢未満の犬猫の販売が禁止されました。
本来、子犬は母犬や兄弟犬と生後2~3ヵ月までは一緒に過ごすのが理想です。親・兄弟との接触、飼い主の家族の他、多くの人や犬に会わせたり、いろいろな場所に行ったり、他の動物に会わせたり、音に慣れさせるなど、子犬のうちに多くのことを体験させることが重要だからです。いろいろな体験を通して、子犬は社交的な犬になっていきます。

犬のしつけとは、人と一緒に暮らすために犬に守らせたいルールを覚えさせることです。室内の小型犬のしつけの目標は、飼い主を噛まないことと、吠えて近所に迷惑をかけないことです。大型犬では、散歩の途中で他人や他の犬に吠えたり攻撃したりしないようにすることも必要です。

人が犬のリーダーになる主従関係は、犬にとってかわいそうなことではありません。飼い主が犬の頼れるリーダーになれば、犬は安心して暮らすことができます。

「ハウス」「オスワリ」「フセ」「マテ」「オイデ」などの指示語のトレーニングは、飼い主が犬をコントロールするために重要です。訓練を通じてリーダーである飼い主との信頼関係も深まります。

重要なのは、ダメなことはダメとあきらめさせること。吠えればなんでもきいてもらえると思わせないために、吠えても無視することです。目もみず、声もかけず、犬があきらめるまで待ちましょう。

叱るのではなく、できたときに誉めましょう。最初は「おやつのごほうび」と「なでてほめる」をセットでしてあげましょう。ほめられるのがうれしくなると、なでられたりほめられたりすること自体がごほうびとなります。

しつけの仕方にもいろいろありますが、自分の犬と生活環境に合わせて、ムリをせず、あきらめず、時間をかけて続けましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:新型コロナ感染時の備え

新型コロナウイルスに感染してしまったときの備えをしておきましょう!

新型コロナウイルス感染症の主な感染経路は、人と人との飛沫感染と接触感染であると考えられています。感染した人からペットにも感染することが報告されていますが、感染したペットのほとんどは無症状か、軽い症状を示すだけで、ペットが感染源となってウィルスを伝播している事例はまだ報告されていません。ペットに感染させないことはもちろん大事ですが、飼い主様が感染してしまうと、大切なペットのお世話ができなくなってしまうかもしれません。現在流行しているデルタ株の感染力は強力です。万が一、飼い主様が感染してしまったときのことも考えて、ペットのお世話についても準備をしておきましょう。

〇 自宅療養に備えてフードや日用品等の備蓄をしておきましょう。
新型コロナに感染すると、入院中はもちろん自宅療養中も外出できなくなります。ペットフード等の食べ物、ペットシーツや猫砂などの日用品は、十分な量、備蓄しておきましょう。
このとき、フードなどの賞味期限のあるものの備蓄はローリングストックがおすすめです。毎日あげるフード等は通常時から少し多めに買っておき、賞味期限を考えて古いものから与え、使った分を買い足すことで、いつも一定量の食料を備蓄することができます。ローリングストックをしておけば災害時にも安心です。
この他、食料品以外の日用品の備蓄量もチェックしておきましょう。

※ 備蓄が足りなくなったときは、近くの親類や友人、業者などに買い出しをお願いしたり、通信販売を利用することになると思います。注文、商品の受取、料金支払いなどの際には、配送者と直接接触しないように配慮しましょう(商品は玄関前や宅配ボックス等のあらかじめ決めた置き場所に配達してもらう、料金の支払いはできるだけキャッシュレス決済にする等)。

〇 入院などでご自宅にいられなくなる事態にも備えておきましょう。
ペットの世話ができなくなる事態に備えて、ペットを預けるための準備をしておくことが大切です。
ご家族や友人などに、いざという時に預かってもらえるか確認しておきましょう。
お願いできる方がいない場合は、ペットホテルやペットシッターについて事前に調べておきましょう。
また、ペットを預かってもらうときに備えて、ペットの情報を書き出しておきましょう(ペットの名前、年齢、性別、性格、健康状態、かかりつけの動物病院、飼育上の注意事項など)。
さらに、飼育に必要な物は、すぐまとめられるように準備しておきましょう(フード・常備薬・首輪・リード・遊び道具・トイレ用品など)。
ペットホテルなど他の動物がいるところに預ける場合は、他のペットからの感染症も心配ですので、犬や猫などは混合ワクチンもきちんと接種しておきましょう。

※ ペットを預ける際には、相手の方への感染防止対策を徹底しましょう。感染された方は外出できません。飼い主がペットをケージ等に入れて玄関先に置き、飼い主が家に入られてから受取り側が受け取るなど、直接の接触を避けるように配慮しましょう。

感染してから準備を始めても間に合いません。かわいいペットと過度な接触は避けましょうといってもなかなか難しいと思いますが、ペットを触ったときは手を洗ったり消毒したり、ペットの体を常に清潔に保つなど、一般的な衛生管理が動物由来感染症対策にもつながります。

今は静岡県も緊急事態宣言下。ペットたちにとっても飼い主様は大切な家族。かわいいペットのためにも不要不急の外出は我慢して、お家でペットとの楽しい時間を過ごしましょう。

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