ペット衛生管理の豆知識:鳥の梅雨対策

梅雨の苦手な鳥たちにも湿度対策をしてあげましょう!

梅雨は湿度の高い季節。今回は鳥たちの梅雨対策です。
ジメジメした梅雨はインコなどの鳥たちにとっても不快な季節です。いつもより注意してお世話してあげましょう。

ペットとして人気の高いセキセイインコやオカメインコは、降水量が少ないオーストラリア原産です。オーストラリア内陸部は砂漠が近いこともあり、30℃になる夏でも湿度が低くカラッとした気候です。日本のジメジメした梅雨とは大違い。さらに鳥には体温調整のための汗腺がありません。鳥は、羽のない脚が空気に触れたり、口を開けて気道の水分を蒸発させることによって、体温を下げています。鳥が暑いと感じている時は、口を半開きにし、翼を体から浮かせ、体の熱を放散させるような仕草を見せます。そのような様子を見たら、鳥かごの場所を変えたり、できればクーラーや除湿機を使用して、室温や湿度をコントロールするようにしましょう。鳥にとって快適な湿度は50~60%といわれています。エアコンは冷房をかけるよりも除湿で25~30℃の設定がおすすめです。

窓を2カ所以上開けると、空気の通り道ができて風通しがよくなり、湿度を下げることができます。特にこの時期は、室外より室内の方が湿度が高いことがありますので、雨の日でも換気はしてあげましょう。ただ放鳥するときは、必ず窓が閉まっているか確認してください。

窓を開けただけでは改善しない場合は、やはりエアコンや除湿器に頼ることになります。扇風機やサーキュレーターを使用して、室内の空気を循環させるとさらに効果的です。このときエアコンなどの風が鳥たちに直接当たらないように、鳥かごの設置位置にも気を配りましょう。また、放鳥時には、鳥たちが扇風機などにぶつかり、事故や怪我をしないように注意してあげましょう。

鳥たちは寒さに弱いため、逆に空調が強すぎると、体調に悪影響を及ぼします。お家にあるエアコンの特性を理解しつつ、できれば温度計・湿度計を鳥かごのそばに設置して、こまめにエアコン調整を行いましょう。空調が効きすぎて寒すぎると、鳥たちは片足を体に入れて片足立ちしたり、体全体の羽毛を膨らませたりします。鳥たちの様子をよく観察しましょう。

また梅雨の時期は、細菌が増殖したりカビや害虫が発生しやすくなりますので、エサや飲み水の傷みを防ぐこと、エサの保管、ケージの除菌・消毒、などにも注意しましょう。

小さな体の鳥たちには、ちょっとしたストレスが命にかかわってしまいます。注意深く見守り、鳥たちが快適に暮らせるようにしてあげましょう。

⇒ ホーム
⇒ ペット衛生管理の豆知識<目次>

ペット衛生管理の豆知識:梅雨時のペットの臭い対策

梅雨時に強くなるペット臭を抑えましょう!

高温多湿の梅雨の時期、部屋の中がいつもよりペット臭い…なんてことはありませんか。室内でペットを飼っていると、どうしてもこの時期、ペット臭がより強くなってしまいます。それは、温度と湿度が高くなったせい。いろいろな所で細菌やカビが増殖するから。しかもそれは、ペットの体と部屋の中の両方で起こっています。臭いを解消するには、部屋とペットの両方の対策が必要です。それぞれに湿気対策をして、細菌やカビの増殖を抑え、臭いの発生を防ぎましょう。

部屋の対策 :最も直接的な対策は、換気扇や扇風機を回したり、エアコンや除湿器を使ったりして空気の流れを作り、湿度と温度を抑えることです。犬の場合、快適な室温は26℃程度、湿度は50~60%と言われています。
部屋の中にトイレがあるペットの場合は、尿や便をしたら速やかに取り除くようにしましょう。こまめなトイレ掃除は臭いを予防する有効な対策です。
部屋を衛生的に保つことも重要です。細菌やカビの温床になるカーペットや床には定期的に掃除機をかけ、ホコリやペットの毛は除菌クリーナーや粘着テープなどでこまめに取り除きましょう。その上で、消臭剤を使いましょう。
そしてこれは一般的なことですが、部屋の中に物がたくさん置いてある部屋は、空気が通りにくく湿気がこもりがちになりますので、部屋を片付けることも大切です。もともとカビが発生しやすいキッチンやお風呂場も、この時期は特にしっかり換気しましょう。天気の良い日には、天日干しできるものは日光に当て、乾燥・殺菌させるとよいですね。
また、観葉植物や水槽があったり、室内に洗濯物を干すと湿気が高くなりますので、ペットのいる部屋にはたくさん置かないように注意してあげましょう。

ペットの対策 :ペットのボディケアをこまめに行うことが対策になります。
できれば毎日ブラッシングをして抜け落ちた毛を取り除き、毛の間の通気性をよくしてあげましょう。ブラッシングは肌を刺激するので血行も改善され、皮膚炎や湿疹などのトラブルも予防できます。
体を拭くのも効果的です。顔や足、腹や尻など部分的でもいいので、濡らしたタオルで拭いてみてあげてください。特に犬は、独特の臭いの分泌物を出すアポクリン腺が全身にあり、これが臭いの原因となります。犬にとっては自己主張のための大切な臭いですが、体を拭くことで抑えることができます。
この他、ペットの歯肉炎や歯周病など、お口のトラブルも臭いの原因になります。ワンちゃんなら、毎日ブラッシング(歯磨き)をして物理的に歯垢を取り除いて口臭を予防しましょう。
犬種にもよりますが、肛門腺絞りも忘れずに行いましょう。肛門腺からは強い臭いがする分泌液が出ているので、お尻の毛や寝床などにこの分泌液がつくと強烈な臭いがします。肛門腺絞りや耳掃除・爪切りなどを、月1回まとめてプロにお願いするのもお勧めです。
最後になりましたが、臭い対策でやはり有効なのは、シャンプーして体を洗ってあげることです。ただし、頻繁に洗いすぎると皮膚が痛み、逆に皮膚炎の原因になりますので、体を洗うのは月1~2回にしましょう。また洗った後は、十分に乾かしてあげることも大切です。

以上ペットの臭い対策についていろいろ書きました。できることから実施して、不快な梅雨を乗り切りましょう。

⇒ ホーム
⇒ ペット衛生管理の豆知識<目次>

ペット衛生管理の豆知識:梅雨に多い病気

梅雨時には耳や皮膚の病気が多くなります

とうとう梅雨が近づいてきました。梅雨は湿度が高く、病気の原因になる細菌やカビ、寄生虫などが増殖しやすい季節です。不快指数が上がってストレスもたまり、梅雨は私たち同様ペットにとっても病気にかかりやすい季節といえます。この時期は前回説明した食中毒の他、耳の病気、皮膚の病気が起きやすくなります。

耳の病気 :湿度が高くなると耳の中で細菌や真菌、ダニなどが増殖し、耳の病気にかかるペットが増えます。犬では特に耳が垂れている犬種や、外耳道に毛が多く生えている犬種で、外耳炎になることが多くなります。後ろ足で耳(首のあたり)を掻いているときは要注意です。耳が赤く腫れたり、痒がったり、耳アカがたまったり、異臭を発することもあります。出血すると治療に時間がかかるので、早めに見つけて動物病院へ連れて行きましょう。
耳の中をよく拭いてあげることが予防のためのお手入れとなります。イヤークリーナーなどを使ってみるのもおすすめです。

皮膚の病気 :梅雨の時期は、皮膚の病気にかかるペットも多くなります。ペットは被毛で覆われているためそこに湿気がこもり、皮膚で菌が増殖しやすくなるためです。
また、高温多湿のこの時期は、ノミやダニ、蚊などの害虫の活動が活発になる時期でもあります。これらに刺されて掻くと皮膚炎を起こしたり、様々な病気を媒介します。
犬で毎月ノミ・ダニの駆虫薬をあげていない場合は、外出時にペットが舐めても大丈夫な虫よけスプレーを使うなど、ノミやマダニがつきにくいようにしてあげましょう。駆虫薬をあげている場合でも、虫よけスプレーなどで蚊に刺されないようにしてあげましょう。

人間同様、ペットもストレスなどにより免疫力が下がっていると炎症が起こりやすくなります。梅雨時は部屋を清潔に保ち、室温や湿度を管理してあげることが大切です。
特に犬の場合、雨で散歩に行けないことも増えますので、ストレスを溜めないように室内でたくさん遊んであげましょう。

⇒ ホーム
⇒ ペット衛生管理の豆知識<目次>

ペット衛生管理の豆知識:ペットの食中毒

ペットの食中毒を予防しましょう!

暑くなってきました。気温の上がるこの時期は食べ物が傷みやすく、人間もペットも 食中毒への注意が必要です。

市販のペットフードだけを食べさせていれば基本安心ですが、食べ残したフードは捨てること、食器や水入れをしっかりと洗うこと、フードの保管状況が重要です。ドライフードでも開封して湿気の多い場所に長期間置いておくとカビが生えることもありますので、湿度の少ない涼しい場所に保管しましょう。フードは小袋に分別されていて すぐ使い切れるタイプの方がより安全です。また、蓋を開けた缶のウェットフードは、別の保存容器に移して必ず冷蔵庫に入れ、できるだけ早く使い切るようにしましょう。

夏場に特に注意が必要なのは、手作り食をあげている場合です。使う調理器具の衛生にも気を付け、食品にはしっかり火を通すようにしましょう。肉や魚を生で食べさせたいと思われる飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんが、暑い時期は肉や魚にも火を通しましょう。生食を避けることが、ペットの食中毒予防になります。

ペットが飲む水も、給水器に毎日継ぎ足ししていると、容器についた汚れが起因して夏場は腐ることがあります。給水器はこまめに洗浄し、毎日新鮮な水に交換してあげましょう。

細菌・ウイルス・寄生虫などに汚染されているものを口にしてしまった場合の他、毒キノコ・ジャガイモの芽など、人間に毒になるものでも食中毒は起こります。さらに、人間には食べられるものでも、ペットにとっては食中毒を引き起こしてしまう食べ物もあります。
例えば、犬にとって食べてはいけない食べ物は、玉ねぎやチョコレートなどです。玉ねぎは貧血症状を引き起こし、チョコレートも食べた量によっては死に至ることもありますので、もしこれらの食べ物を食べてしまい、下痢や嘔吐の症状が出てしまったら、すぐ動物病院に相談しましょう。

食中毒の治療は原因によっても異なりますが、下痢や嘔吐がある場合は、脱水症状の改善や電解質バランスを整えるための治療が必要です。脱水症状の改善のためには点滴や皮下注射による補液を、症状により整腸剤や抗生物質などを使用します。

梅雨時は食中毒以外でも下痢がおきやすい季節です。気温の上昇で夏バテを起こしつつあるペットに大量の水を飲ませると、胃液が薄くなり下痢を起こすこともあります。下痢便の様子が、水のようにゆるい、臭いが強い、血液が混じっているといった場合や、嘔吐もあるなど、気になる症状がある場合には、すぐに動物病院を受診しましょう。

⇒ ホーム
⇒ ペット衛生管理の豆知識<目次>

ペット衛生管理の豆知識:災害時の備え

災害時を見据えて普段から備えましょう!

今年元旦、最大震度7の大きな揺れを観測する能登半島地震が起きました。多くの建物が倒壊し、津波もきて、被害は甚大なものとなりました。犠牲になられた多くの方々のご冥福をお祈りします。東日本大震災からは13年。静岡に住む私たちにとっても、南海トラフ巨大地震がいつ起きてもおかしくない状況だとか。日本は地震大国です。

大きな地震が起きると言われ続けている静岡ですが、本当に災害時の備えは大切です。災害は、ある日突然襲ってきます。人だけでなく、多くのペットたちも犠牲となってしまいます。命は助かっても、被災した飼い主の生活上の理由から、ペットと別れなければならない場合もでてきます。そんな悲しいことにならないように、できることから備えていきたいですね。

避難所での生活のためには、ペットをキャリーバックやケージに慣らしておくこと、人や他の動物にむやみに吠えたりしないようにすること、決められた場所で排泄ができること、などが必要となってきます。そのことは、実はペット自身のストレス軽減にもつながります。

また、避難所や動物救護施設では、ストレスでペットの免疫力が低下することが想定されることから、普段から予防接種やノミなどの外部寄生虫の駆除などを行っておくことも重要です。

ペットフード等の食べ物、ペットシーツや猫砂などの日用品も、通常時から、十分な量、備蓄しておきましょう。

地震のほか、地球温暖化による異常気象による大災害も、いつどこでおきてもおかしくない状況です。かわいい子を守るためにはどうすればいいのか、日頃から考えておきましょう。

⇒ ホーム
⇒ ペット衛生管理の豆知識<目次>

ペット衛生管理の豆知識:新型コロナ感染時の備え

新型コロナウイルスに感染してしまったときの備えをしておきましょう!

新型コロナウイルス感染症の主な感染経路は、人と人との飛沫感染と接触感染であると考えられています。感染した人からペットにも感染することが報告されていますが、感染したペットのほとんどは無症状か、軽い症状を示すだけで、ペットが感染源となってウィルスを伝播している事例はまだ報告されていません。ペットに感染させないことはもちろん大事ですが、飼い主様が感染してしまうと、大切なペットのお世話ができなくなってしまうかもしれません。現在流行しているデルタ株の感染力は強力です。万が一、飼い主様が感染してしまったときのことも考えて、ペットのお世話についても準備をしておきましょう。

〇 自宅療養に備えてフードや日用品等の備蓄をしておきましょう。
新型コロナに感染すると、入院中はもちろん自宅療養中も外出できなくなります。ペットフード等の食べ物、ペットシーツや猫砂などの日用品は、十分な量、備蓄しておきましょう。
このとき、フードなどの賞味期限のあるものの備蓄はローリングストックがおすすめです。毎日あげるフード等は通常時から少し多めに買っておき、賞味期限を考えて古いものから与え、使った分を買い足すことで、いつも一定量の食料を備蓄することができます。ローリングストックをしておけば災害時にも安心です。
この他、食料品以外の日用品の備蓄量もチェックしておきましょう。

※ 備蓄が足りなくなったときは、近くの親類や友人、業者などに買い出しをお願いしたり、通信販売を利用することになると思います。注文、商品の受取、料金支払いなどの際には、配送者と直接接触しないように配慮しましょう(商品は玄関前や宅配ボックス等のあらかじめ決めた置き場所に配達してもらう、料金の支払いはできるだけキャッシュレス決済にする等)。

〇 入院などでご自宅にいられなくなる事態にも備えておきましょう。
ペットの世話ができなくなる事態に備えて、ペットを預けるための準備をしておくことが大切です。
ご家族や友人などに、いざという時に預かってもらえるか確認しておきましょう。
お願いできる方がいない場合は、ペットホテルやペットシッターについて事前に調べておきましょう。
また、ペットを預かってもらうときに備えて、ペットの情報を書き出しておきましょう(ペットの名前、年齢、性別、性格、健康状態、かかりつけの動物病院、飼育上の注意事項など)。
さらに、飼育に必要な物は、すぐまとめられるように準備しておきましょう(フード・常備薬・首輪・リード・遊び道具・トイレ用品など)。
ペットホテルなど他の動物がいるところに預ける場合は、他のペットからの感染症も心配ですので、犬や猫などは混合ワクチンもきちんと接種しておきましょう。

※ ペットを預ける際には、相手の方への感染防止対策を徹底しましょう。感染された方は外出できません。飼い主がペットをケージ等に入れて玄関先に置き、飼い主が家に入られてから受取り側が受け取るなど、直接の接触を避けるように配慮しましょう。

感染してから準備を始めても間に合いません。かわいいペットと過度な接触は避けましょうといってもなかなか難しいと思いますが、ペットを触ったときは手を洗ったり消毒したり、ペットの体を常に清潔に保つなど、一般的な衛生管理が動物由来感染症対策にもつながります。

今は静岡県も緊急事態宣言下。ペットたちにとっても飼い主様は大切な家族。かわいいペットのためにも不要不急の外出は我慢して、お家でペットとの楽しい時間を過ごしましょう。

⇒ ホーム
⇒ ペット衛生管理の豆知識<目次>
⇒ ペットシッター 新型コロナ対応
⇒ お知らせ:新型コロナ感染者様からのお引き受け