ペット衛生管理の豆知識:犬用ワクチン1

ウイルスには抗生物質が効きません ワクチンで予防しましょう

ワクチンとは感染症の予防に用いる医薬品のことで、病原体あるいは細菌毒素の毒性を弱めたり失わせたりしたものです。これらをあらかじめ接種しておくことにより病原体に対する抗体を産生させ、体内に免疫反応の記憶を残すことにより、いざ本当の病原体が体内に侵入してきたときに迅速に免疫応答が働き、病原体の感染や発病を防げるようになります。

犬用ワクチンは、すべての犬に接種した方がよい「コアワクチン」と、感染のリスクに応じて接種する「ノンコアワクチン」に分けられます。

「狂犬病ワクチン」は、犬用コアワクチンの中で唯一接種が義務化されているワクチンです。狂犬病予防のために、生後3カ月以降のすべての犬に対し、年1回の接種が義務付けられています。なぜ、狂犬病ワクチンだけが義務付けられているのかというと、それは狂犬病を発症した場合の致死率がほぼ100%というとても怖い病気だから。さらに狂犬病を発症した犬に噛まれると、犬だけではなく人間にも感染・発症するとても恐ろしい人獣共通伝染病だからです。

「犬ジステンパーウイルス」「犬パルボウイルス」「アデノウイルス1型(犬伝染性肝炎)」のワクチンも、コアワクチンです。これらは義務ではないものの、感染率と感染後の致死率が高いことから、すべての犬へワクチン接種することが推奨されています。

ノンコアワクチンは、生活環境(多頭飼いなど)や、病原体の汚染地域かどうかなどにより、高い感染リスクが想定される場合に接種するもので、「レプトスピラ」「パラインフルエンザウイルス」「コロナウイルス」などがこれに当たります。

上記の病原体はほとんどウイルスですが、レプトスピラだけは細菌です。
レプトスピラが入っている混合ワクチンは副作用が出やすいことが知られています。レプトスピラ感染症も人獣共通伝染病ですし、発生報告のある汚染地域では本来接種をすべきですが、ワクチンアレルギーを起こす体質の子や、特にミニチュア・ダックスフンドなどでは副作用が強く出る場合がありますので、接種には注意が必要です。獣医師と相談して、その子の体質、飼育環境、生活環境、感染リスクなどを考慮した上で、レプトスピラが入ってないワクチンを接種するか、レプトスピラが入っているワクチンを接種するか選びましょう。

ドッグランやペットホテルなどの犬の集まる施設では、3種以上の混合ワクチンの接種証明書の提示を求められることが多くなっています。ウイルスに対する抗体持続期間から、コアワクチンの接種は3年に1回でもいいとの報告もありますが、接種1年以内の証明書の提示を求められる場合が多いと思いますので、心配な場合は事前に施設へ確認しておきましょう。証明書はワクチン接種を受けた動物病院で発行してくれます。

ワクチンは、感染症予防において最も重要かつ効率的な手段です。特にウイルス性感染症には抗生物質が効きませんので、かかってからの治療より、ワクチンによる予防が非常に重要です。ワクチンをあらかじめ打っておけば、感染症の発症予防、症状の軽減が大いに期待できますので、ワクチンで予防できる病気はワクチンの接種を検討しましょう。

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