ペット衛生管理の豆知識:犬用ワクチン2

ワクチンで予防できる犬の感染症

狂犬病以外の感染症予防接種は、「混合ワクチン」が一般的です。混合ワクチンは、複数の病気のワクチンが組み合わせてあり、一度に接種できます。
何種類混合のワクチンを接種すればよいかを決めるときには、様々な要因を考えます。室内犬か室外犬か、ドッグランやペットホテルなど多くの犬が集まる場所に行くことがあるか、野山に入ることがあるか、また飼っている地域ではどんな病気が流行しているかなどなど。獣医さんと相談して接種内容を決めましょう。

ワクチン接種によって予防できる犬の感染症は、以下のとおりです。

(1)犬パルボウイルス感染症:犬パルボウイルスに感染した犬の便や嘔吐物に接触して感染します。激しい下痢や嘔吐、発熱、脱水症状などが表れ、重症になると血便が出ることもあります。また下痢や脱水の悪化によりショック症状を起こして死に至ることもあり、特に子犬の致死率が高くなっています。妊娠中のメス犬が感染すると、流産や死産の原因になります。

(2)犬ジステンパー:犬ジステンバーウイルスの感染によっておこる急性で高熱のでる感染症で、伝染力が強く、死亡率の高い伝染病です。感染した犬の目やに、鼻水、唾液、排泄物との接触やくしゃみなどの飛沫物によって感染します。初期症状は目やに、鼻水、鼻炎、発熱、食欲の低下などで、重篤化すると麻痺や痙攣などの症状が出ます。致死率が高く、発症すると有効な治療法はありません。治ったとしても、神経症状などの後遺症が出ることがあります。

(3)犬伝染性肝炎:犬アデノウイルス1型の感染によっておこる感染症で、伝染力が強く、感染した犬の鼻水や唾液、排泄物に接触することで感染します。発熱や嘔吐、下痢、腹痛などの症状が表れ、急性の肝炎になります。鼻水が出る程度の軽症こともありますが、混合感染があると死亡率は極めて高くなります。回復しても半年以上ウイルスが腎臓にいて、尿中に排出されますので注意が必要です。

(4)犬伝染性咽頭気管炎:犬アデノウイルス2型による感染症で、「ケンネルコフ」という強い咳がでる犬の呼吸器病の主な原因のひとつです。咳やくしゃみなど風邪に似た症状が出ます。1型の犬伝染性肝炎よりも症状が軽く致死率も低いとされていますが、他のウイルスや細菌との複合感染により重篤化する場合もあります。

(5)犬パラインフルエンザウイルス感染症:「ケンネルコフ」の主な原因のひとつで、咳や発熱、鼻水などの重い風邪のような症状が出ます。単独での致死率はあまり高くありせんが、他の感染症との混合感染で症状が重くなります。

(6)犬コロナウイルス感染症:感染した犬の嘔吐物や糞便をなめたりすることによって感染します。幼犬には下痢と嘔吐を起こしますが、成犬の場合は感染してもほとんど症状が現れません。幼犬で症状が重くなると、血便がでることもあります。犬パルボウイルスなどと混合感染すると重篤になることがあります。

(7)犬レプトスピラ症:レプトスピラという細菌に感染した動物の尿で汚染された土や水を口にしたり、また触れたりすることで感染します。症状が出ない「不顕性」、高熱、腎炎、出血性胃腸炎、血便などになる「出血型」、高熱、黄疸、尿毒症などになる「黄疸型」があり、人間にも感染する人獣共通感染症です。また、レプトスピラには多くの血清型があります。

ワクチンによる免疫は一生続くわけではありません。ワクチンの種類によっても異なりますが、複数回の接種が必要です。一般的には、生後2ヶ月の段階で第1回目を、その1ヶ月後に第2回目を行い、成犬になってからは年に1回の追加接種することが多いです。ワクチンによっては子犬期に3回接種することもありますし、コアワクチンの追加接種は3年に1回でよいとしている場合もあります。

前回も書きましたが、ウイルス感染症には抗生物質は効きません。感染してしまったら特効薬はありません。取り返しのつかないことになってしまう前に、定期的に予防接種を受けましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:ワクチンの副作用

ペット衛生管理の豆知識:犬用ワクチン1

ウイルスには抗生物質が効きません ワクチンで予防しましょう

ワクチンとは感染症の予防に用いる医薬品のことで、病原体あるいは細菌毒素の毒性を弱めたり失わせたりしたものです。これらをあらかじめ接種しておくことにより病原体に対する抗体を産生させ、体内に免疫反応の記憶を残すことにより、いざ本当の病原体が体内に侵入してきたときに迅速に免疫応答が働き、病原体の感染や発病を防げるようになります。

犬用ワクチンは、すべての犬に接種した方がよい「コアワクチン」と、感染のリスクに応じて接種する「ノンコアワクチン」に分けられます。

「狂犬病ワクチン」は、犬用コアワクチンの中で唯一接種が義務化されているワクチンです。狂犬病予防のために、生後3カ月以降のすべての犬に対し、年1回の接種が義務付けられています。なぜ、狂犬病ワクチンだけが義務付けられているのかというと、それは狂犬病を発症した場合の致死率がほぼ100%というとても怖い病気だから。さらに狂犬病を発症した犬に噛まれると、犬だけではなく人間にも感染・発症するとても恐ろしい人獣共通伝染病だからです。

「犬ジステンパーウイルス」「犬パルボウイルス」「アデノウイルス1型(犬伝染性肝炎)」のワクチンも、コアワクチンです。これらは義務ではないものの、感染率と感染後の致死率が高いことから、すべての犬へワクチン接種することが推奨されています。

ノンコアワクチンは、生活環境(多頭飼いなど)や、病原体の汚染地域かどうかなどにより、高い感染リスクが想定される場合に接種するもので、「レプトスピラ」「パラインフルエンザウイルス」「コロナウイルス」などがこれに当たります。

上記の病原体はほとんどウイルスですが、レプトスピラだけは細菌です。
レプトスピラが入っている混合ワクチンは副作用が出やすいことが知られています。レプトスピラ感染症も人獣共通伝染病ですし、発生報告のある汚染地域では本来接種をすべきですが、ワクチンアレルギーを起こす体質の子や、特にミニチュア・ダックスフンドなどでは副作用が強く出る場合がありますので、接種には注意が必要です。獣医師と相談して、その子の体質、飼育環境、生活環境、感染リスクなどを考慮した上で、レプトスピラが入ってないワクチンを接種するか、レプトスピラが入っているワクチンを接種するか選びましょう。

ドッグランやペットホテルなどの犬の集まる施設では、3種以上の混合ワクチンの接種証明書の提示を求められることが多くなっています。ウイルスに対する抗体持続期間から、コアワクチンの接種は3年に1回でもいいとの報告もありますが、接種1年以内の証明書の提示を求められる場合が多いと思いますので、心配な場合は事前に施設へ確認しておきましょう。証明書はワクチン接種を受けた動物病院で発行してくれます。

ワクチンは、感染症予防において最も重要かつ効率的な手段です。特にウイルス性感染症には抗生物質が効きませんので、かかってからの治療より、ワクチンによる予防が非常に重要です。ワクチンをあらかじめ打っておけば、感染症の発症予防、症状の軽減が大いに期待できますので、ワクチンで予防できる病気はワクチンの接種を検討しましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:抗生物質の重要性

細菌感染症の治療に抗生物質は必須です

ペットの調子が悪くなって動物病院に連れて行くと、よく抗生物質が処方されます。もちろん私たち人間にも抗生物質はよく使われます。でも抗生物質って、病院に行かないと手に入りませんよね。どうしてでしょう? 今日は抗生物質のお話です。

抗生物質とは本来、微生物がつくる天然の抗菌作用をもつ物質のことで、その化学構造から人工的に合成されています。抗生物質には、細菌を殺す殺菌作用と細菌の増殖を抑える静菌作用があり、この作用で病気を治します。基本、細菌にしか効きません。

抗生物質を使う目的は、病気を起こす原因となっている細菌を抑えることです。抗生物質が発見されたおかげで、医療はとても進歩しました。それまでは死亡するのが当たり前だった細菌性の病気にかかっても、抗生物質のおかげで命が助かるようになったんです。さらに抗炎症薬などの薬と抗生物質を組み合わせて使用すれば、治療効果は一層高まることがわかっています。

通常の診療では、動物にも人にも、様々な病気の治療に抗生物質が使われています。細菌感染による炎症(肺炎、膀胱炎、皮膚炎など)、細菌による二次感染のおそれのある外傷や手術後なども、抗生物質は投与されます。抗生物質はウイルスに対しては効力がありませんが、細菌との混合感染やウイルス感染後の二次感染を予防する目的で、ウイルス感染症に対しても使われます。また以前には、家畜の飼料に添加物として飼料にまぜて食べさせ、微生物を抑えて成長促進させるためにも使われていました。

ちなみに、細菌には抗生物質が効きますが、ウイルスだけに効く薬はほとんどありません。細菌は栄養や条件がそろえば単独で増殖できますが、ウイルスは宿主の細胞に入り込み、宿主の細胞システムを利用して増殖します。宿主を攻撃するわけにもいかず、特効薬のないウイルス感染症の治療には、症状に対して治療する対症療法が中心となっています。

抗生物質には、数種類の細菌にしか効かないものもあれば、幅広い多くの細菌に対して効くものあります。病原体の細菌が分離できれば、その細菌に対する抗生物質の感受性試験を実施して、感受性のある薬剤を使うことが推奨されていますが、医療の現場で治療を始めるときにまだ原因の細菌がわからないことが多いため、幅広い細菌に効力の高い抗生物質が使われることが多くなっています。

なくてはならない抗生物質ですが、病院に行って見てもらわないと手に入りません。それはなぜでしょう。細菌感染症に対して抗生物質は必須ですが、抗生物質の使用にあたっては注意が必要だからです。

ペニシリンショックのようにショック症状を引き起こすこともありますし、口から飲む場合には腸内細菌叢のバランスがくずれて下痢などがおきることもあります。また、むやみに抗生物質を多用すると、細菌がその抗生物質に対して耐性をもって効かなくなったり、抗生物質が効かない新しい細菌(耐性菌)が出現したりします。
「生死にかかわる病気のときに効く抗生物質がない!」これは医療にとって脅威であり、大きな社会問題になっています。抗生物質を安易に乱用すれば、このような事態になりかねません。

以上のようなことから、抗生物質の使用にあたっては慎重さが求められています。ペットの病気については、獣医師がその動物を実際に診察して、その都度必要な抗生物質を必要な量だけ処方することになっています。くれぐれも自分判断での使用するのはやめましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:高齢ペットへの配慮

高齢ペットが快適に暮らせるように

かわいいペットが年をとって弱っていくのを見るのは辛いものです。以前のように言うことを聞いてくれなくなったり、反応が鈍くなる場合もあります。でも飼い主さんが苛立ったりしてはいけません。年老いたペットには、静かで暖かい休息場所、心地よい寝床、新鮮な水と栄養価の高い食事、使いやすいトイレを用意してあげましょう。

〇視力が衰えてよく見えていないと思われる場合は、家具の角などにぶつかると危ないので、危険な場所にはクッション材を貼る、いつも通るところには物を置かないなど、配慮してあげましょう。また、ペットは家具の配置などを感覚で覚えているため、室内の模様替え(配置換え)をしないことも大切です。

〇聴覚の衰えで、名前を呼んでも反応しない場合は、急に触ると驚かせてしまうため、ペットの見える方向から近づくようにしましょう。

〇視力や聴力の衰えで、ペット自身も強い不安を感じているはずです。眠っている時間が多くなるペットですが、優しく声をかけたり、体を触ってマッサージしたりなどのスキンシップをたくさんしてあげましょう。ペットの不安も和らぐはずです。

〇食事を見直して、高齢ペットに適した食事を与えましょう。少食の高齢ペットには、少量でも高エネルギーの食事を検討しましょう。
痩せて食が細くなり食欲がないペットには、まず食べてもらうことが第一です。食べることができなければ、ペットはどんどん衰弱していってしまいます。そんなときは、栄養バランスを気にするより、ペットの好きなもの(食べれるもの)を好きなだけ食べさせましょう。

〇足腰が弱くなったペットが家の中で足を滑らせないような工夫が必要です。滑らないカーペットの使用等を考えましょう。また、眠っている時間が長くなりますので、心地よい寝床を作ってあげることも大切です。

〇粗相をしてしまう場合も増えるので、専用のカーペットなど、頻繁に交換したり、洗えるタイプの製品の利用も考えましょう。よく通るところにトイレを増やしてあげるのもいいかもしれません。マナーベルトやオムツも上手に利用しましょう。人間用の尿取りパッドも役に立ちます。

〇口臭の原因になる歯周病は、高齢犬がかかりやすい病気です。日頃から歯や歯茎など口の中全体をチェックしておきましょう。

〇皮膚が乾燥してかたく厚くなるためかゆみを生じやすくなり、加齢によって皮膚に腫瘍を生じやすくもなりますので、頭部や顔首の周囲をチェックしてあげましょう。ただし、シャンプーのし過ぎはよくありません。

〇老犬の散歩には、散歩用ハーネスが有効です。ハーネスにリードをつけてつり上げるようにして立たせ、犬がゆっくり歩けるように介助してあげましょう。適度な運動にもなり、ストレスの解消にもなります。

〇ペットの寿命が延びていますので、介護を必要とする高齢ペットも増加しています。介護の期間が長くなると、飼い主自身の疲労も蓄積してしまいます。できれば介護に協力してくれる人を確保しましょう。介護をお願いできるペットシッターを利用するという手もあります。

この他、年を取れば、骨折しやすくなったり、関節炎になりやすくなったり、糖尿病や腎臓病などの病気になることも多くなります。

ペットの年齢や状況によって、私たちの接し方も変えていく必要があります。食欲、行動、歩き方、1日の時間の過ごし方などで、元気なときとは違う変化や異常があれば、すぐ気づいて対処してあげましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:ペットの老化のサイン

老化のサインに早めに気づいてあげましょう

まだやんちゃな子どもだと思っていても、ペットはいつのまにか大人になり、あっという間に年を取っていきます。毎日一緒にいると、少しずつ進行していく小さな変化に気づきにくいものですが、大切なのはペットの老化のサインを見逃さないことです。できるだけ早く気づいて、ペットが快適に暮らせるようにサポートしてあげましょう。以下が、ペットに見られる主な老化のサインです。

筋力が弱まる:足腰などの筋力が衰えるため、歩くスピードが遅くなったり、動きが鈍くなります。犬の場合は散歩を嫌がったり、長時間の運動を嫌がったりします。犬は後ろ脚から衰え始めますので、歩くときヨロヨロしたり、腰がくだけて座り込んだりします。
また、階段の上り下りがゆっくりになり、ちょっとした段差でも躊躇したり、つまずくようになります。筋肉の衰え以外にも、関節の痛みや足腰の不調などが原因のこともあります。
筋力の衰えは全身にも現れ、体に張りがなくなり、体力が衰えてきます。

視力や聴力が衰える:年をとると、視力が低下しますので、物によくぶつかるようになります。聴力も低下しますので、名前を呼んでも反応しなくなることがあります。

皮膚や被毛が変化する:ふんわり艶やかだった被毛が艶を失ったり、ひげや耳の周囲の毛が白くなったりします。また、皮膚は乾燥してかたく厚くなるため、かゆみを生じやすくなります。

食欲が変化する:高齢になると、同じ食事でも太ったりします。逆に老化が進んでくると食欲が減退して痩せてきたりします。味覚や嗅覚が変化して、好みが変わることもあります。好き嫌いがひどくなることもあります。ホルモンの病気が原因のこともありますので注意が必要ですが、食に変化が表れるのも老化のサインです。

睡眠時間が増える:年齢を重ねるにつれ、睡眠時間が長くなる傾向にあります。夜だけでなく昼間も眠ることが多くなってきたら、それは老化のサインです。好奇心も薄れ、お気に入りのおもちゃなどにも興味を示さず、眠ることを優先するようになります。

粗相が増える:年を取ったペットが粗相をするのは、膀胱にためられる尿の量が減少したり、トイレまで間に合わなかったりするためです。腎臓に異常があることもあります。

口臭がきつくなる:老齢ペットだけではありませんが、口臭がきつくなった場合は、歯周病にかかっている可能性があります。歯周病は高齢ペットがかかりやすい病気です。

老化と老齢ペットの病気とは別です。老齢ペットの病気は症状が少しずつ進行することも多いため、健康診断を受けないと気づけない場合もあります。病気を見落とさないようにするためには、血液検査も含めた定期的な健康診断が必要です。

次回は、ペットに老化のサインが見られた場合に、ペットが快適に暮らせるようにするための工夫です。

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ペット衛生管理の豆知識:犬猫の年齢

ペットの人間換算年齢を知っておきましょう

「この子は人間で言うと何歳ぐらいになるんだろう?」 ペットの人間への換算年齢、是非知っておいてください。犬や猫の年齢を人間に換算すると下表のようになります。もちろん目安ですので、犬種や個体差、飼われている生活環境によっても違いはでてきます。

犬の寿命は15年弱。大型犬の方が小型犬よりも寿命が短い傾向にあるようです。これは、大型犬の方が小型犬より成長スピードが速く、大きな体を維持するために体への負担が大きくなっているためと考えられます。
一般的に、小型犬・中型犬は1歳で人間に換算すると17歳位になり、その後1年ごとに人間の4年分成長するといわれています。大型犬では2歳で20歳位、その後は1年を人間の7年として計算します。
何歳からシニア犬(老犬)、というはっきりとした定義はありませんが、小型犬・中型犬で8歳位、大型犬では7歳位からです。老化は見た目や行動にも出てきますが、犬の人間への換算年齢を意識することで、老化のサインに早めに気づいてあげられ、年齢に合ったケアをしてあげることができます。

猫の寿命はだいたい15年。最近では20年以上生きる猫も少なくないようです。このうち、家の外に出る猫より外に出ない猫の方が、交通事故や感染症のリスクが少ないため、長生きする猫が多いようです。
猫の人間への換算年齢も、小型犬とほぼ同じです。猫も1歳で人間に換算すると17歳位になり、そこからは1年間で約4歳ずつ歳をとっていきます。猫も7歳位から徐々に老化が始まります。11歳は人間でいう60歳位。白髪が増えたり、動きがゆっくりになったりしてきます。

犬や猫たちは、1歳から1歳半を過ぎたらもう立派な大人です。そうして飼い主の年齢をあっという間に追い越していきます。
いつまでも永く一緒にいたいなら、バランスの摂れた食事や体重管理で太り過ぎに注意し、適切なワクチン接種を行ったり、体を触ってあげたりなど、日々の健康管理をしっかりしてあげましょう。 そして、人間への換算年齢を意識することで、成長や老化など、年齢に合ったケアをしてあげましょう。

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お知らせ:明けましておめでとうございます

ペットサポートぐる~ を今年もよろしくお願いします!

新年 明けまして おめでとうございます。

昨年、ご利用いただいたお客様、
ペットサポートぐる~をご利用いただき、本当にありがとうございました。
ぐる~スタッフも、たくさんの「かわいい!」をいただきました。

本年も、飼い主様に安心してかわいいペットを任せていただけるよう努めてまいります。
医療行為が必要な場合や 障害のあるペットのシッターも ご相談ください。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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ペット衛生管理の豆知識:寒いときの犬のお散歩

寒い冬の犬のお散歩とその注意点

今回は、冬に犬を散歩させるときの注意点です。寒い冬のお散歩は、飼い主さんにとってもおっくうに感じることが多いと思います。でも、気温の低い冬は、エネルギーを蓄えるために食欲が旺盛になる時期ですので、散歩に行かないと犬は太ってしまいます。犬の健康維持のためにも、冬でもできるだけ散歩に行きましょう。

犬は比較的寒さに強い動物で、冬の低い気温の中でも元気に活動する犬種が多く、暑い夏よりも寒い冬の方が得意という犬が多いです。童謡にも「犬は喜び庭駆け回り」というフレーズがありますよね。
しかし、チワワやヨークシャー・テリアなどの小型犬では、被毛がダブルコートではなくシングルコートなため、寒さに弱い犬種もいます。また、子犬や老犬、痩せた犬や持病のある犬なども寒さが苦手です。これらのワンちゃんには、防寒対策をしてあげましょう。

犬を散歩させるときの寒さ対策のひとつは、セーターやジャケットなどの服を着せることです。こうした防寒着を着せると、家の中と外との温度差による体への負担を軽減させることができます。歩くのに負担にならない防寒着を選び、外でも快適に過ごせるようにしてあげましょう。

なお、気温がとても低い日、冷たい風の強い日、寒くて雨や雪が降っている日、また犬の体調がよくないときなどは、無理にいつもどおりの散歩へ行かなくても大丈夫。楽しいはずのお散歩が負担になってしまいます。いつもよりも短い時間にしてあげる、または行かないという判断も、ときには必要です。

散歩に出かけるときは、家の中と外との温度差に気をつけましょう。暖かい室内からいきなり犬を外に連れ出すと、体が慣れていないのでこたえますし、関節にもよくありません。外へ出る前に、気温が低い玄関などで外へ出る準備をゆっくりして、寒さに慣らしましょう。外に出たら、まずはゆっくりと歩いて、犬の様子を見ながら少しずつペースを上げましょう。体に負担をかけないことが大切です。

また、冬のお散歩は、朝や夕方、辺りが暗いことも多いと思いますので、車や自転車、人の往来にも気を配りましょう。事故に巻き込まれないように、光る首輪や目立つ色のリードやハーネス、反射板などを着用しましょう。 

散歩から帰ったら、防寒着を脱がせるか、室内用のものに着替えさせてあげましょう。防寒着は家の中と外との気温差を防ぐためのものなので、そのまま着ていては効果が薄くなってしまいます。
雨や雪などで体が濡れてしまったときは、乾いたタオルでしっかり拭き、ドライヤーを使ってしっかりと乾燥させましょう。
冬は乾燥しますので、犬にも肉球などの保湿ケアをしてあげると、なお安心です。乾燥するとひび割れてしまうこともありますので、保湿成分が含まれたジェルやクリームなどを塗ってあげるといいですね。

冬の犬のお散歩は、できるだけ犬の体に負担がかからないように様子をよく観察しましょう。特に寒さに弱い小型犬には防寒着を着せるなどして、温度差の負担を小さくしてあげましょう。寒い冬にも、犬が快適に過ごせるように工夫して、犬と一緒にお散歩を楽しみましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:冬に多い病気

冬はペットの免疫力も下がります

寒くなってきました。いよいよ本格的な冬ですね。寒い冬はペットにとっても病気にかかりやすい季節です。なぜなら、冬は気温が下がって空気が乾燥するから。気温が下がると免疫力が低下しますし、乾燥すると、鼻やのど粘膜の防御機能が低下して、体内に細菌やウイルスなどの病原体が侵入しやすくなります。寒いと運動不足にもなりがちですので体力も落ちます。免疫力を落とさないように、適度の運動をして、ストレスのない生活環境を整えてあげることが大切です。

冬にかかりやすい病気と、予防のための注意点をまとめてみました。

〇泌尿器系の病気: 冬は寒いため、ペットもあまり水を飲まなくなります。その結果、排尿の間隔が長くなり、膀胱炎や尿路結石などの病気を発症しやすくなります。
⇒ 飲水量が多くなるように工夫してあげましょう。ウェットフードの比率を増やす、給水場所を増やすというのもいいかもしれません。排尿の量・色・回数などをチェックしましょう。排尿時の様子がそれまでと違う場合は、動物病院に相談してみましょう。

〇関節の病気: 寒くなると動かなくなって、さらに血流が滞って筋肉がこわばります。そのため、寒い中で急に運動をさせようとすると、関節などに負担がかかってしまいます。
⇒ 寒い場所で、すぐに激しい遊びや運動をするのは避けましょう。動きはじめなど、こわばった関節には負担がかかりますので、フローリングなどの滑りやすい床には、カーペットを敷くとか滑り止めを貼るなどの工夫をしてあげましょう。

〇心臓や循環器系の病気: 心臓など循環器系の異常は、咳をすることから見つかることが多い病気です。咳は呼吸器系の病気ですが、心臓の病気を発見する重要な指標でもあります。冬は、冷たい空気が呼吸器への刺激となりさらに咳を誘発するため、心臓の病気が発見されやすくなります。
⇒ 気になる咳をしているようなら、動物病院に診てもらいましょう。加えて、短期間で体重が減ってしまった場合なども心臓疾患の可能性があります。

〇感染症: 冬は気温が低く乾燥しますので、呼吸器や下痢などの感染症にかかりやすい季節です。ペットが集まるところに行く場合は、さらにリスクが高まります。
⇒ 感染症予防の基本はワクチン接種です。ワクチン接種が推奨されているものは予防接種をしましょう。忘れないように、年に1回、時期を決めて接種しましょう。
ペットホテルなど不特定多数のペットが集まる場所は、特に感染症のリスクが高くなっていますので、自分のペットに予防接種を行うとともに、予防接種や寄生虫駆除を義務付けている施設を利用すると安心です。
幼齢ペットや高齢ペットは体力や免疫力が低くなっていますので、特に注意してあげましょう。

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ペット衛生管理の豆知識:ペットの冬の食事

ペットの生活環境によって食事内容を調整しましょう

昼間は暖かい日もありますが、朝晩はだいぶ寒くなりました。「冬になると暖かいこたつに座りっきりで、お菓子やみかんを食べてばかり。なので、つい太ってしまって・・・」というのは、人間ばかりではありません。ペットも同じです。冬のペットの食事についても知っておきましょう。

室内飼育で暖房完備のところで過ごせるペットは、年間を通じて必要なカロリーはあまり変わらないと考えて大丈夫です。ただ動物は本能的に、寒い冬に備えて体に脂肪を蓄えようとしますので、秋から冬にかけて食欲が旺盛になります。さらに、冬は寒くて動かなくなり、人同様ペットの運動量も減る傾向にあります。暖かいところにいて今までと同じ量の食事をとり、動かなければ体重が増えてしまうのはあたり前です。運動量が減っているようなら、やはり食事内容と食事量を調整しましょう。できれば、冬でも適度な運動はさせてあげるようにしましょう。

一方で、外で暮らしている動物たちは、寒さが厳しくなってくると、それまでと同じ餌の量では、どんどん痩せてしまいます。なぜなら気温が低下すると、体温を保つために多くのエネルギー(カロリー)を必要とするから。外で飼っている場合、冬は夏より2~3倍のエネルギーを必要とすることもあります。寒い外気にさらされるペットには、食事内容や食事量を変えてエネルギーを増やしてあげましょう。その際は、是非、良質のタンパク質や脂肪を増やしてあげてください。外に限らず、寒い環境で暮らすペットにとって、エネルギーの増量は体温維持のために必要です。

それぞれのペットが暮らす環境を考えて、食事内容と食事量を調整しましょう。できれば定期的に体重測定をして体重を管理し、食べた量も把握しましょう。実際にペットの体や食欲を見ながら、季節の変化に合わせて食事を変えていくことは、ペットの健康管理上とても大切なことです。

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